医療イノベーション キャリアフォーラム〜「世界に発する医療イノベーションを生み出す人材育成」を目指して〜を開催
2018-6-12
会場風景
「医療イノベーション キャリアフォーラム〜『世界に発する医療イノベーションを生み出す人材育成』を目指して」が2018年6月11日(月),東京大学内の伊藤国際学術研究センター伊藤謝恩ホール(東京都文京区)にて開催された。本フォーラムは,2017年10月にハーバード大学医学部放射線科教授に就任した波多伸彦氏の来日を機に,東京女子医科大学先端生命医科学研究所教授の正宗 賢氏が中心となって企画されたもの。ハーバード大学の380年以上にわたる歴史の中で,波多氏が初めての日本人工学系教授となったことを記念しての開催となった。また,波多氏をはじめ,国内外の先端的な医療機器の開発などに携わる12名が登壇するとあって,当日は雨の中200名近くが参加した。
本フォーラムでは,正宗氏と株式会社日立製作所の吉光喜太郎氏が総合司会を務めた。開会に当たり,東京大学大学院工学系研究科教授の佐久間一郎氏が挨拶に立ち,特に若い研究者に向けて,本フォーラムで学んだことが医工学,医療サイエンスの推進につながるよう一緒に考えを深めていく場としたいと述べた。
続いて,登壇者12名が3名ずつに分かれて4つのセッションが行われた。会場からも質問を募りつつ,インタビュアーが中心となって談話方式で進行した。登壇者からは,現在の道へと進んだ動機やイノベーションを生み出すきっかけ,留学先での経験や学んだこと,起業から製品開発や市場展開にまつわる苦労などについて語られたほか,家庭生活と仕事を両立するコツなどプライベートにまで踏み込んだ質問にもざっくばらんに答え,会場の笑いを誘う場面も見られた。また,いずれのセッションにおいても,異業種コミュニケーションや人脈,臨床現場に立つこと,世の中の変化に敏感であることや好奇心などの重要性が共通して語られ,すべてのセッション終了後の総合討論では,波多氏が「多様性を持ってしなやかに生きることが重要であり,それが今回のフォーラムのテーマでもある」と語った。
最後に,早稲田大学理工学術院教授の伊関 洋氏が閉会の挨拶に立ち,多くの人材に医工学の分野に進んでいただき,患者を助けるために尽力していただきたいと呼びかけた。
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■登壇者
Session 1
司会:鎮西清行氏(国立研究開発法人産業技術総合研究所 健康工学研究部門副研究部門長)
波多伸彦氏(ハーバード大学医学部放射線科教授)
吉川典子氏(特定非営利活動法人医工連携推進機構客員研究員)
Session 2
司会:平野恵子氏(経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課医療・福祉機器産業室室長補佐)
川嶋健嗣氏(東京医科歯科大学生体材料工学研究所教授)
原田香奈子氏(東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻・機械工学専攻准教授,内閣府ImPACTプログラム・マネージャー)
Session 3
司会:植村宗則氏(九州大学病院助教)
村垣善浩氏(東京女子医科大学先端生命医科学研究所先端工学外科学分野/脳神経外科(兼任)教授,同先端生命医科学研究所副所長,早稲田大学理工学術院客員教授)
岡本 淳氏(東京女子医科大学先端生命医科学研究所特任講師,早稲田大学理工学術院非常勤講師)
Session 4
司会:粂川美紀氏(一般社団法人概念工学研究所代表理事,昭和女子大学および文教大学非常勤講師)
塚本 勲氏(加賀電子株式会社創業者,代表取締役会長)
中村亮一氏(千葉大学フロンティア医工学センター准教授)
●問い合わせ先
「世界に発する医療イノベーションを生み出す人材育成」シンポジウム実行委員会
http://ikougaku.com/