フィリップス・ジャパンが最新ソリューションに関するプレスセミナーを開催
ー日本におけるスタートアッププログラムの開始もアナウンス

2018-3-2

フィリップス・ジャパン


特別講演の様子

特別講演の様子

(株)フィリップス・ジャパンは2018年2月28日(水),本社(東京都港区)にてプレスセミナーを開催した。フィリップスの最新のヘルステックソリューションをテーマとした2題と,医療の費用対効果評価をテーマとした特別講演1題が行われた。

冒頭,挨拶に立った代表取締役社長の堤 浩幸氏は,2018年のヘルステック戦略と2017年度のグローバルでの業績を説明した上で,ヘルスケアを取り巻くさまざまな課題の解決に向けた取り組みの一つとして,「Philips HealthWorks Startup Program 2018」を日本でも開始することを紹介した。このプログラムは,世界中の起業家,スタートアップに対し,フィリップスの世界4か所(オランダ,米国,インド,上海)のイノベーションセンターを拠点に支援を行うもので,グローバルで2017年に開始された。プログラムに採用されたスタートアップには,イノベーションセンターのリソース利用や医療対応テクノロジー・プラットフォームへのアクセス,実証実験,助言,投資などの支援を行っていく。2017年には,6か国から15のスタートアップが採用され,うち5つのスタートアップがフィリップスとのコラボレーションを模索している。2018年は「AI for Health」をテーマに,4月から募集開始の予定となっている。

堤 浩幸 氏(代表取締役社長)

堤 浩幸 氏
(代表取締役社長)

   

 

セミナーでは1題目に,フィリップス・レスピロニクス合同会社マーケティング部副部長の久保和也氏が「睡眠時無呼吸症候群の在宅医療を支えるクラウドソリューション」を発表した。同社は,フィリップスのデジタルプラットフォーム“HealthSuite”を活用したクラウド型呼吸装置治療支援プログラム「ケア オーケストレーター」の提供を2018年1月より開始した。ケア オーケストレーターでは,CPAP治療機器から機器使用状況・治療データをHealthSuiteに自動転送し,治療時間が短い患者などを検出して医療従事者へアラートを表示することで,患者への早期介入を促すことができる。また,検査結果やバイタルデータなどの統合管理も可能となっている。久保氏は,「将来的には,HealthSuiteを介して病院同士や訪問看護ステーション,薬局などもつなぎ,多職種で患者をケアしていくためのプラットフォームにしたい」と今後を展望した。なお,2018年度の診療報酬改定でCPAPの指導管理料に遠隔モニタリング加算が新設される見込みとなっている。

久保和也 氏(フィリップス・レスピロニクス)

久保和也 氏
(フィリップス・レスピロニクス)

   

 

2題目に,フィリップス・ジャパン エマージングビジネスマネージャーの岡村秀樹氏が「デジタル病理診断の展望とそのための準備」を講演した。2017年12月に病理ホールスライド画像診断補助装置「フィリップス インテリサイトパソロジーソリューション」が,デジタル病理画像による病理診断補助を目的とした医療機器として日本で初めて薬機法承認を取得した。フィリップスでは,病理医の不足や偏在,検査数の増大などの課題を踏まえ,デジタル病理診断を”病理診断ワークフローを改善する方法”と位置づけており,デジタル化により,「どこからでも連携可能」「必要な情報を統合可能」「定量化技術を活用した支援」といったメリットが得られるとしている。岡村氏は,フィリップスでは病理医の不足や偏在への対応,より専門性の高い病理診断のために,デジタル病理診断を活用した病理診断ネットワークの構築をめざしていると述べ,薬機法承認の取得がその実現に向けた一歩であると締めくくった。

岡村秀樹 氏(エマージングビジネスマネージャー)

岡村秀樹 氏
(エマージングビジネスマネージャー)

   

 

最後に特別講演として,クレコンメディカルアセスメント(株)取締役最高業務責任者の小林 慎氏が「医療の費用対効果評価」を講演した。小林氏ははじめに日本の財政状況について概説した上で,社会保障費のなかでも医療費,特にモノ(医薬品と医療機器)の価格がコントロール対象となると考えられると述べ,その際の評価方法の一つである費用対効果評価について解説を行った。効果指標として使用される質調整生存年(QALY)や分析手法として用いる増分費用効果比(ICER)について詳述し,2018年の診療報酬改定で費用対効果に基づく価格調整が試験的に導入されることを説明した。なお,費用対効果評価の導入は,医療機関への影響は当面は限定的であるとし,費用対効果評価の分析方法や研究報告は医業経営に活用する価値があると述べ,その応用例を紹介した。

小林 慎 氏(クレコンメディカルアセスメント)

小林 慎 氏
(クレコンメディカルアセスメント)

   

 

「ケア オーケストレーター」の展示

「ケア オーケストレーター」の展示

「フィリップスインテリサイトパソロジーソリューション」の展示

「フィリップスインテリサイトパソロジーソリューション」の展示

 

●問い合わせ先
(株)フィリップス・ジャパン
TEL 0120-556-494
www.philips.co.jp/healthcare

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