GEヘルスケア・ジャパンが新型マンモグラフィ「Senographe Pristina」を発表
2016-10-31
明石氏(右)と小山氏によるSenographe Pristinaでの
ポジショニングの実技
GEヘルスケア・ジャパン(株)は2016年10月28日(金),新型マンモグラフィ「Senographe Pristina」とマンモグラフィ用画像診断ワークステーション「SenoIris」を発表した。両製品とも,同日より同社と(株)島津製作所が販売を開始した。
Senographe Pristinaは,同社マンモグラフィのハイエンド装置である「Senographe Essential」の後継機種。従来機種の技術を受け継ぎつつ,被検者が感じる痛みや不安を抑え,安心して快適に検査を受けられるように,デザイン・設計を見直した。例えば,乳房を載せて体を密着させるブッキーは,角に丸みを持たせることで痛みを与えないような工夫がされている。また,撮影時に被検者が手を添えるソフトアームレストは,LEDライトにより緊張感を和らげるように配慮されている。オプションで用意されるブレストトモシンセシス“Seno3D”用に用意されるフェイスシールドも顔の形状に合わせてラウンドシェイプさせており,苦痛がなく,楽な姿勢で検査を受けられるようになっている。
一方,検査者にとっても,ポジショニングなどが容易に行える操作性を実現している。ディテクタの後方に広いワーキングスペースを確保したほか,MLO撮影時のX線管球の位置を検査者の手技の妨げにならないところに角度を調整して,撮影を行うことができる。このX線管球の角度を移動させる機能により,車いすに乗った被検者のセッティングも容易になる。さらに,小型の乳房やインプラントを入れた乳房の検査に対応した小型圧迫板をオプションで用意した。
同時に発表されたSenoIrisは,Seno3Dで撮影したトモシンセシス画像から2Dマンモグラフィ画像のような“Volume Preview”画像を再構成することができる。この画像とトモシンセシス画像を用いることで,データ量の多いトモシンセシスの検査画像でも,短時間に効率的な読影が行える。
同日には,日本GE(株)赤坂パークビル(東京都港区)で記者発表が行われ,代表取締役社長兼CEOの川上 潤氏,昭和大学医学部乳腺外科講座准教授の明石定子氏,聖路加国際病院放射線科の小山智美氏が出席した。川上氏は,超高齢社会,女性の社会進出という日本の現状について触れ,乳がんなどの女性医療の重要性が増していると言及し,この領域にトータルソリューションを提供していると述べた。そして,Senographe Pristinaの開発に当たっては,被検者の痛みや不安をなくすため,200人のデザイナー,エンジニア,エルゴノミストなどがかかわったと説明。検診受診率の向上にSenographe Pristinaが貢献できれば,と期待を示した。
次いで登壇した明石氏は,日本人女性に多い高濃度乳腺(dense breast)の場合,通常の2Dマンモグラフィでは限界があり,トモシンセシスを組み合わせることで要精査率を引き下げることが可能であると説明した。また,マンモグラフィ検診の受診率が低いことことについて,痛みや不安感が受診しない理由になっているというアンケート結果を示し,それを取り除くことが重要だと述べた。
さらに,小山氏は,Senographe Pristinaの開発にかかわった経緯について話した。小山氏は2008年11月から複数回フランスへ渡り,操作性などのヒアリングに参加してきた。その結果,日本人をはじめとしたアジア人女性に乳房を考慮した装置ができたと説明した。
この後,会場内の装置で実際にポジショニングの実技が行われ,被検者にとっても検査者にとっても優しい装置であることがPRされた。
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