量研機構がロゴを発表
2016-8-1
量研機構のロゴを紹介する平野俊夫理事長
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(量研機構)は2016年7月27日(水),東京事務所(東京都千代田区)において記者懇談会を開き,新しいロゴを発表した。
公募作品434点の中から選ばれたロゴは,量研機構の欧文略称の「QST」を取り入れたもので,「突き抜けるスピード感,躍動感」をデザイン化し,活気あふれる研究活動を表している。また,未来,目標,夢,希望に向かい,勢いよく成長,発展,成功,飛躍していく姿を想起させるものとなっている。
量研機構は,国立研究開発法人放射線医学総合研究所(放医研)と国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の量子ビーム科学研究部門,核融合エネルギー研究開発部門が再編統合され4月1日に発足した。初代理事長には,大阪大学総長などを務めた平野俊夫氏が就任した。
ロゴを発表した平野氏は,量研機構の事業展開について説明を行った。平野氏は「調和のある多様性の創造」を理念に掲げ活動していくとし,現在,その理念を実践していくための「QST未来戦略2016」を策定中であると述べた。量研機構は,放医研の重粒子線治療施設などの量子ビーム関連大型施設や臨床研究病院を有し,量子ビームに関する世界トップクラスの研究を行っている。今後は,未来戦略に基づき研究開発のためのプラットフォームを構築するほか,「QST未来ラボ」を設置して,研究拠点・組織を横断した量子生命科学の新たな研究に取り組んでいく。
組織横断的な研究は統合再編以前から取り組まれており,その成果の一つとして,6月13日には,放医研と量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所の共同研究によるα線核種を用いたRI内用療法薬剤211At-MABGの開発が発表されている。211At-MABGは,β線よりも飛程が短く,生物学的効果比が高いα線を用いているため,ほかの正常組織への影響を抑え,がん細胞だけを殺滅するという特長がある。マウスを用いた研究では,神経芽腫や褐色細胞腫に対しての効果が示された。今後は,試験施設の設置などを進めるという。記者懇談会当日は,この研究内容について,放医研の臨床研究クラスタ分子イメージング診断治療研究部部長の東 達也氏が解説した。
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●問い合わせ先
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
経営企画部広報課
TEL 043-206-3062
http://www.qst.go.jp/
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