富士フイルム,超音波活用の場面を広げる携帯型超音波画像診断装置「SonoSite iViz」を発売
2016-4-8
小型ながら高精細画像での診断が可能な
タブレット型超音波装置SonoSite iVizを発売
富士フイルム(株)は,タブレット型超音波画像診断装置「SonoSite iViz(ソノサイト アイビズ)」を富士フイルムメディカル(株)より5月20日から発売する。それに先立ち記者向けの新製品発表会を4月7日(木)に東京ミッドタウン(港区赤坂)で開催した。発表会では,同社執行役員メディカルシステム事業部長の後藤禎一氏が超音波事業の取り組みとSonoSite iVizへの位置づけを,執行役員R&D統括本部メディカルシステム開発センター長の早川利郎氏がSonoSite iVizの製品の特長を紹介。続いて,SonoSite iVizの導入施設からの声として,救急から緩和医療,在宅医療の場で活用する諏訪中央病院から,山中克郎氏(総合診療科),奥 和久氏(同),五十嵐一憲氏(救急科)のコメントがビデオで紹介された。
後藤氏は,富士フイルムのメディカル事業の概要と直近の業績,その中で2012年の米国SonoSite社の買収後4年間の売上推移などを示して,超音波事業が順調に伸びていると説明。その要因として,販売チャネルの統合や棲み分けが功を奏していること,FC1やX-porteなど両社の技術力を生かした製品を継続して投入できていることなどを挙げた。世界の超音波診断機器市場では同社のシェアは6位だが,携帯型超音波に限ればGEに次いで2位となっている。富士フイルムの超音波装置はPOC(Point of Care)市場に軸足を置いてスタートしたが,軽量・コンパクトながら高画質を実現したSonoSite iVizの投入によって診断市場も含めて領域と市場の拡大が期待できると述べた。
続いて登壇した早川氏は,最初にSonoSite社が1999年に発売した携帯型超音波装置「SonoSite180」を紹介し,当時2.4kgのボディにカラードプラまで搭載し,大型・多機能な装置が主流を占める中で,従来と“180”度方向の異なるコンセプトで新たな市場を切り開いたが,そのSonoSiteが満を持して発表したのがSonoSite iVizであると述べた。SonoSite iVizは,重さ520g,140万画素の7インチカラー液晶モニタを備え,B,M,カラードプラの各モードと,心臓や産科などの計測機能を搭載する。また,メモリは64GBで1000件以上の検査を保存でき,USBでの外部保存にも対応,画像の共有機能としてはWi-Fiネットワーク,DICOM対応となっている。
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SonoSite iVizの特長の1つとして,本体を片手で保持し親指だけで操作できる“マルチタッチジェスチャーUI”がある。片手でプローブを扱う超音波検査では本体の操作は片手でできることが望ましいが,SonoSite iVizではスマートフォンやタブレットPCのようなタップや長押し,スライドなどのジェスチャーによって親指のみの操作を可能にした。また,救急などでの迅速検査の際にEFASTやRUSHといった診断手順を画面に表示するナビゲーション機能を搭載している。さらに本体にカメラを標準搭載し静止画や動画の記録が可能になっており,患者の状態記録や診断状況の口述記録なども行える。
早川氏は,SonoSite iVizは新時代の携帯超音波として超音波診断の活用の場を大きく広げるもので,院内では集中治療室や病棟へ,さらに在宅医療やへき地医療,ドクターカーや災害救助などの現場で的確な診断を提供できると述べた。
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富士フイルムメディカル(株)
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