GEヘルスケア・ジャパン 「2025年医療モデルと開業医の役割」をテーマに「第11回ヘルシーマジネーション・カレッジ」を開催
2015-5-18
会場風景
GEヘルスケア・ジャパン(株)は2015年5月15日(金),赤坂パークビル(東京都港区)にて「第11回ヘルシーマジネーション・カレッジ」を開催した。
ヘルシーマジネーション・カレッジは,世の中の関心の高い医療テーマについて,現場に携わる専門家が現状や取り組みについて講演するメディア向けセミナー。特に日本は世界で最も超高齢化が進んでいる「課題先進国」であり,その解決に向けた取り組みをテーマにした講演が中心となっている。11回目となる今回は「2025年医療モデルと開業医の役割」をテーマに,医療法人社団家族の森多摩ファミリークリニック院長の大橋博樹氏と日本大学病院消化器内科超音波室室長の小川眞広氏が講演した。
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セミナーでは,まずはじめにGEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの川上潤氏が登壇し,ヘルシーマジネーションカレッジの意義と今回のテーマについて説明した。川上氏は,2025年医療モデルにおいては基幹病院だけでなく,プライマリ・ケアやクリニック,在宅医療にも優れたテクノロジーの導入が必要であり,このような分散型の医療の提供を目的とした医療機器の開発,ソリューションの提供に力を注いでいきたいと述べた。また,今回のセミナーについて,2025年医療モデルと関連してモバイルや在宅医療の中で注目されてきている超音波検査に焦点を当てることで,これまでテクノロジーの導入が遅れていた在宅医療でも高度な画像診断ができるようになるのではないかとし,今後の分散型医療における超音波診断装置の活用に期待を示した。
続いて,大橋氏が登壇し,在宅医療の現場で起こっている問題と今後在宅医療に求められる専門医について講演した。大橋氏は,国の政策で在宅医療が進められているにもかかわらず,現状では在宅医療の体制は整っていないと指摘。介護者,介護・看護サービス,患者本人の病状などの問題だけでなく,開業医が在宅医療に参入しづらいことも重要な問題となっていると述べた。現在の在宅医療は従来の往診医と比べ,多職種連携に対するコミュニケーション能力や総合的な医療技術など高度な医療レベルが求められており,通常の内科医,外科医ではすべてに対応できるトレーニングを受けるのが困難となる。また,訪問診療にかかる診療報酬の算定にも問題があり,一部では本来求められるべき医療の質を維持しておらず,在宅・訪問診療に携わる多くの医師も影響を受けていると語った。大橋氏はこのような在宅医療が抱える問題点の解決策について,2014年5月に発足した日本専門医機構が,新しい専門医制度として2017年に総合診療専門医を設けることを挙げた。第三者機関が高齢者医療や在宅医療に携わる専門医を認定することで,国民が求める質を担保した専門医を養成できるのではないかと期待を寄せた。
最後に,小川氏が超音波検査の置かれている現状と,その普及に向けた取り組みについて講演した。小川氏は,超音波検査が診断学の中では非常にマイナーな領域となっているが,実は最も分解能が高い検査法であると説明。他モダリティでは描出不可能な腫瘤や造影超音波検査でがんの診断ができた症例を供覧し,描出範囲を的確に理解すれば,優れた時間・空間分解能を生かせる検査法であるとした。また,鑑別診断の時間短縮や触診の代わりとして活用することもでき,患者に画像で示しながら所見を伝えることができるためインフォームドコンセントにもつながるなど,超音波検査のさまざまな特長を挙げた。これだけの特長があるにもかかわらずマイナーな理由として教育不足があるとし,超音波検査の短所として知られている描出範囲の狭さや検査者・診断装置による診断能の依存性の高さ,客観性の欠如などについては,最新の技術や教育,撮像法で解消されているとした。また,小川氏が超音波検査を行う実際のモダリティ構成について,2014年10月にオープンした日本大学病院の超音波センターを提示。CT画像やMRIと同等の画像診断として超音波診断画像を扱い,過去画像との比較もできるようにしたことで,超音波診断装置がマルチモダリティの診断学時代のハブ的存在になりうることを示した。さらに,リアルタイムに最適断面に設定し診断を決定できるようにしたことで,専門医が超音波診断装置を使う利点を最大限に発揮できるようになり,地域連携にも役立てられると自信を見せた。加えて,小川氏が現在取り組んでいる,ITも含めたさまざまな教育方法にも言及し,正しい超音波診断装置の利用法を普及することで医療連携・地域連携に貢献したいと締めくくった。
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部
TEL 0120-202-021
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