「本田賞第35回記念シンポジウム」開催に際しての記者会見を開催
ー拡散MRI技術を開発し,第33回本田賞を受賞したデニ・ルビアン氏も来日
2014-11-14
記者会見の様子
公益財団法人本田財団は2014年11月14日(金),同日に日経ホール(東京都千代田区,日経ビル内)にて主催の「本田賞35回記念シンポジウム」に先立って,日経ビルにて記者会見を行った。
本田財団は,本田技研工業の創業者・本田宗一郎氏と弟・弁二郎氏の寄付金により1977年に設立された。財団の設立趣意には,技術革新や経済成長に派生するさまざまな問題を,従来の発想とは次元を異にした新しいアプローチ方法で解決することをめざし,“人間性あふれる文明の創造”に寄与することを掲げており,研究者が自由に討議・研究する機会の提供,研究・教育・普及への褒賞や助成といった事業活動を行っている。そのなかで,「人間環境」と「自然環境」の両方を大切にする課題解決のための手法“エコテクノロジー”の概念を確立し,1980年からエコテクノロジーで顕著な成果を達成した個人またはグループを対象に,本田賞を授与している。
35回目となる今回は,軽量構造用チタンアルミ合金(γ-TiAl基合金)の開発に貢献したオーストリア・レオーベン鉱山業大学のヘルムート・クレメンス氏が受賞した。常温ではもろく,高温では加工性が悪い合金を加工できるようにしたこと,またその合金が将来の省エネ技術として幅広く活用されるポテンシャルがあることが評価された。γ-TiAl基合金は,実際に航空機用エンジンに採用され,すでに製造が始まっており,燃費の大幅な改善やCO2排出の大幅削減に貢献することが期待されている。
記者会見では,本田財団理事長の石田寛人氏が挨拶に立ち財団を紹介するとともに,常務理事の松澤 聡氏が,第35回本田賞と記念シンポジウムについて説明した。また,午後に開催されるシンポジウムで登壇する過去の受賞者3名が,研究内容や本田賞についての思いなどをそれぞれコメントした。このうち,フランス・ニューロスピン(NeuroSpin)超高磁場MRI研究センター所長のデニ・ルビアン氏は,拡散MRI技術の基礎から臨床応用までを確立し,急性脳梗塞の早期診断・治療を可能にした功績が評価され,2012年に第33回本田賞を受賞。シンポジウムでは,「生物学および医学における水分子のエコテクノロジー」をテーマに講演した。このほか,経済学分野から1995年・第16回本田賞受賞のオーケ・E・アンダーソン氏,コンピュータ科学分野から2005年・第26回本田賞受賞のラジ・レディ氏が登壇した。
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●問い合わせ先
本田賞第35回記念シンポジウム事務局
TEL 03-6661-2475
http://www.hondafoundation.jp