富士フイルム,経鼻内視鏡用のLASEREOと炎症診断を容易にする新画像処理機能LCIを発表
2014-10-15
レーザー光源搭載内視鏡システム
「LASEREO」
富士フイルム(株)は,レーザー光源搭載の内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」の新しいラインナップとして追加された上部消化管用経鼻内視鏡の「EG-L580NW」と,特殊光色彩強調機能「LCI(Linked Color Imaging)」についてのプレス発表会を,2014年10月14日(火)に東京都港区の東京ミッドタウンで開催した。
発表会では,最初に同社取締役・専務執行役員の玉井光一氏が,「富士フイルムの内視鏡システム事業の取組み」について説明し,メディカルシステム(診断),ライフサイエンス(予防),医薬品(治療)の3つの領域を持つ数少ない企業として,その強みを生かし今後もヘルスケア事業を柱の1つと位置づけて展開していくと述べた。
続いて,執行役員R&D統括本部メディカルシステム開発センター長の早川利郎氏が新製品・新画像処理機能のポイントを概説した。EG-L580NWは,2種類のレーザー光源を搭載した内視鏡システムとして2012年に発売されたLASEREOの,初めての経鼻内視鏡のラインナップとなる。早川氏は,EG-L580NWの特長として,先端部径5.8mmと極細径でありながら,鉗子口径を2.4mmと従来より0.4mm拡大したことで処置具を使っていても曲がりやすくなり操作性が向上したこと,また吸引性能も向上したと述べた。また,LCIでは,LASEREOの特長である狭帯域短波長光と白色光の2種類のレーザー光源の画像をもとに,粘膜の色の差をより認識しやすくするため,赤みはより赤く,白い色はより白くなるように色変換を行う。早川氏は,LASEREOではBLI(Blue LASER Imaging)モードの画像などと合わせて,病変や炎症の診断に貢献できると述べた。
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さらに,LASEREOの臨床経験について,川崎医科大学消化管内科教授の春間賢氏が「新経鼻内視鏡の使用経験とこれからの可能性」と題して講演した。春間氏は,胃がん,食道がんの死亡率の減少のためには,患者にも医師にも負担が少なく正確な診断が行えることが必要であるとして,経鼻内視鏡とレーザー光源による画像処理を使ったLASEREOのメリットを紹介した。新しいEG-L580NWでは,視野角140°,観察範囲3〜100mmと経口内視鏡と変わらず,LCIなどの観察モードを利用することで胃炎診断の強力なツールになると期待を述べた。
臨床経験の2つめの講演として,北海道大学病院光学医療診療部診療教授の加藤元嗣氏が「LCIの可能性」について説明した。加藤氏は,胃がんとヘリコバクター・ピロリ菌の除菌の関係について概説し,内視鏡によるピロリ菌感染の胃炎の診断において,重要な所見となるびまん性発赤とRAC(regular arrangement of collecting venules)においてLCIによる画像処理は,その判断を容易にする技術だと述べた。加藤氏は,LCIは今後,胃・十二指腸の内視鏡スクリーニングに使われていくだろうと期待を述べて講演を締めくくった。
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富士フイルムメディカル(株)
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