IWDM 2014 in Gifu 開催
2014-7-2
会場全景
12th International Workshop on Breast Imaging(IWDM2014:ブレストイメージングに関する第12回国際ワークショップ) が2014年6月29日(日)〜7月2日(火)までの4日間,岐阜市のじゅうろくプラザにて開催された。大会長は,IWDMのScientific Program Committee委員である藤田広志氏(岐阜大学大学院医学系研究科教授)が務めた。
ブレストイメージングの国際ワークショップであるIWDMは,1993年の第1回大会から20年以上にわたり,2年に1回,主に欧米で開催されてきた。10回大会までは,International Workshop on Digital Mammography(略称IWDM)だったが,研究内容はマンモグラフィに限定されるものではなく,近年は超音波やMRIに関する発表が増加していることから,2012年の第11回大会からはIWDMの略称は残しつつ,International Workshop on Breast Imagingという名称が使われるようになった。今回は上記の変更から2回目の大会となる。
IWDMは,世界各国から医用物理学,医用工学分野の研究者・技術者をはじめ,放射線科医や診療放射線技師,企業関係者などが参加し,親しく活発な議論を交わす貴重な場となっている。今回の日本におけるIWDM2014は,初めてのアジア開催という記念の大会となる。藤田大会長をはじめ,岐阜大学を中心とした組織委員会では,日本の文化を紹介するさまざまなイベントを企画するなど,おもてなしの精神で参加者を迎えた。
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6月30日(月)午前8時20分からのオープニングで,藤田大会長が開会の挨拶を行った。今回は,Plenary Lecture 1題,Keynote Talk 8題,Luncheon Seminar 2題が特別講演として企画された。一般演題は20か国から122題の応募があり,うち口演発表が27題,ポスター発表が76題採択された(採択率84%)。参加者は,企業関係者なども含めて約250名にのぼり,日本を含むアジアから86名,欧州から52名,北米大陸から27名,豪州から6名という内訳である。藤田大会長は,日本での開催ならではの日本文化を紹介する企画も案内した。まず,会期中に行われるTea Ceremony“茶道”。会場内の和室で,岐阜大学裏千家茶道クラブや藤田研究室の学生がお点前を披露し,海外からの参加者に茶道を体験してもらうというイベントである。また,7月1日(火)のGala Dinnerでは,十二単の着付けショーなどが予定されていることも紹介した。日本文化の体験企画は,海外からの参加者のみならず日本人にとっても,貴重な経験の機会となった。
オープニングに続いて,Session 1:Screening Outcomesが開始された。Sessionは3日間で9つのテーマ(Screening Outcomes, Ultrasound, Clinical Evaluation, Breast Density, Imaging PhysicsⅠ, CAD, Tomosynthesis, Imaging Physics Ⅱ, ICT & Image Processing)が設けられ,それぞれ冒頭にKeynoteの講演が行われた。これら9つのテーマは,Breast Imagingにとって重要な研究課題であり,各分野の第一線の研究者による発表が展開された。
6月30日(月)には,Plenary Lecture として,東北大学教授の大内憲明氏(Noriaki Ohuchi : Tohoku University Graduate School of Medicine, Japan)によるJ-STARTの分析データの最新情報が披露され注目を集めた。「Effectiveness of Ultrasonography Screening for Breast Cancer ; Up-dated Data from the RCT of 76, 196 Women Aged 40-49」と題した講演で大内氏は,2007〜2011年の5年間にわたって実施された厚生労働省の国家的プロジェクト“J-START”(Japan Strategic Anti-cancer Randomized Trial)について紹介。大内氏が研究リーダーを務めるJ-STARTは,マンモグラフィに超音波検査を併用する検診と併用しない検診の比較試験で,40歳代の女性10万人(目標)を対象に実施された。超音波検診の有効性を検証する世界的にも初めての大規模RCTであり,全国42施設が参加し,2011年3月時点で76196名の受診者が参加した。現在,検診結果について中央データセンターで解析中であり,結果が公表されるまでには長い期間を要するが,超音波検査の有効性が証明され,乳がんの早期発見率の向上と乳がん死亡の減少に寄与することを確信していると述べた。
次回の第13回 IWDM2016は,スウェーデンのマルメで開催される予定である。
*IWDM2014の詳細なリポートは,インナービジョン9月号に掲載予定です。
●Session 1:Screening Outcomes
Chair:Elizabeth A. Krupinski(University of Arizona, USA)
Keynote:Andrew D. A. Maidment(University of Pennsylvania, USA)
「Virtual Clinical Trials for the Assessment of Novel Breast Screening Modalities」
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●Session 2:Ultrasound
Chair : Maryellen L. Giger(University of Chicago, USA)
Keynote : Ruey-Feng Chang(National Taiwan University, Taiwan)
「Computer-aided Diagnosis for B-mode, Elastography and Automated Breast Ultrasound」
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●Luncheon Seminar Ⅰ(Hitachi-Aloka Medical, Ltd.)
「Real-time Tissue Elastography : Theory and Usefulness for Breast Cancer Diagnosis」
Chair : Eriko Tohno(Total Health Evaluation Center Tsukuba, Japan)
Tsuyoshi Shiina(Graduate School of Medicine, Kyoto University, Japan)
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●Plenary Lecture
「Effectiveness of Ultrasonography Screening for Breast Cancer ; Up-dated Data from the RCT of 76,196 Women Aged 40-49」
Chair : Hiroshi Fujita(Gifu University, Japan)
Noriaki Ohuchi(Tohoku University Graduate School of Medicine, Japan)
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●Session 3:Clinical Evaluation
Chair : Etta D. Pisano(Medical University of South Carolina, USA)
Keynote : Woo Kyung Moon(Seoul National University Hospital, ROK)
「Breast Imaging Diagnosis and Screening in Korea」
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●Session 4:Breast Density
Chair : Martin J. Yaffe(University of Toronto, Canada)
Keynote : Kwan-Hoong Ng(University of Malaya, Malaysia)
「Measurement and Clinical Use of Breast Density」
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