東芝メディカルシステムズ メディアセミナー「心臓MRI検査の現状」を開催
2014-3-7
会場風景
東芝メディカルシステムズ(株)は2014年3月5日(水),ベルサール八重洲(東京都中央区)にてメディアセミナー「心臓MRI検査の現状」を開催した。このメディアセミナーは,臨床の最前線で活躍している医師を講師に招き,画像診断の現況をメディアに紹介するもので,今回で3回目となる。
セミナーでは,東芝メディカルシステムズの技術担当者が循環器領域のMRI検査を支援する技術について解説するとともに,医療法人社団田貫会高瀬クリニック放射線科の天沼 誠氏による講演が行われた。
冒頭に,東芝メディカルシステムズ代表取締役社長の綱川 智氏が,同社の姿勢を示すとともに,心臓MRIを実施する医療機関において同社装置の評価が高まっていることを受け,その評価,期待に応えられるように医療に貢献する技術を提供していくと挨拶を行った。
次に,東芝メディカルシステムズMRI営業部営業技術担当の竹本周平氏が,循環器領域における2つのMRI技術について解説した。まず,心臓撮像の左心室基準6断面の位置決めをアシストする機能“CardioLine”が紹介された。従来法は各断面ごとに断面設定と撮像条件の編集を行いスキャンする連鎖的技法のため,検査に長い時間がかかっていた。これに対し,CardioLineはワンクリック操作により,わずか1.5秒で6断面を設定できるため,検査時間を短縮でき,不慣れな操作者でも再現性の高い検査が可能となる。続いて竹本氏は,非造影下肢MRAの最適なdelaytimeをワンボタンで自動アシストする機能“DelayTracker”を紹介した。非造影下肢MRAで行われるFBI検査法の従来のワークフローは,ECGプレップ画像を取得し,心臓の拡張期と収縮期を自動で検出するアプリケーション“FBI-Navi”で最適なdelaytimeを読み取り,撮像条件を編集する作業を繰り返す必要があった。DelayTrackerはそれまで培ってきたFBI検査法のノウハウを生かし,delaytimeをワンボタンでリアルタイムに算出。手順の自動化により撮像時間の短縮と,MRI検査の経験を問わない再現性の高い撮像を実現した。これらの機能は,東芝メディカルシステムズ社製「Vantage Elan」「Vantage Titan」「Vantage Titan 3T」に搭載されている。
臨床講演では,天沼氏が「循環器領域におけるMRI検査〜循環器専門施設における臨床応用の実際と今後の展望〜」と題して講演を行った。日本初の循環器専門クリニックである高瀬クリニックでは,2013年8月に1.5T MRI Vantage Titanを導入し,多くの循環器領域の検査を行っている。天沼氏は循環器領域におけるMRIの有用性を説明するとともに,臨床での普及が進みにくい理由について触れ,高瀬クリニックでのMRI検査の実際を紹介した。CTAと比較した際のMRAの利点として,被ばくがないこと,造影剤が不要であることに加え,石灰化の影響が小さいことを挙げ,CTAとMRAの症例画像を提示し,冠動脈MRAの有用性を説明した。そして,冠動脈高度石灰化や不整脈などにより心臓MRIの撮像が困難な症例であっても,CardioLineの活用や,明確な目的と適切な撮像条件の選択により,短時間で診療に寄与する情報が得られるとし,症例に応じたテーラーメードな検査ほど有用性が高いと述べた。
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