東芝が売上高1兆円をめざすヘルスケア事業戦略を発表
2014-2-21
「みんなが健康でいきいき生活できる社会へ」に
向けた東芝のヘルスケア事業の展開
(株)東芝は2014年2月20日(木),ヘルスケア事業戦略の説明会を開催し,予防,診断・治療,予後・介護,健康増進の4分野での事業展開を加速させ,2015年度に売上高6000億円,2017年度に1兆円をめざすことを発表した。川崎に2013年に建てられた東芝スマートコミュニティセンター(神奈川県川崎市)で行われた説明会には,代表執行役社長の田中久雄氏と代表執行役副社長の須藤 亮氏,ヘルスケア事業開発部長兼東芝メディカルシステムズ(株)代表取締役社長の綱川 智氏が出席した。
東芝は昨2013年に策定した中期経営計画において,「エネルギー」「ストレージ」とともに「ヘルスケア」の3分野を事業の中核に据え,スマートコミュニティを実現することとした。その中でヘルスケア事業は,「より快適に,より安心に,より幸せに」という価値観を基に,「みんなが健康でいきいき生活できる社会」に向けて取り組んでいく。そのために東芝では,予防,診断・治療,予後・介護,健康増進の4分野で広範囲の技術融合を図るとしている。田中社長は,これにより「異次元ヘルスケア」を創造すると説明した。
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4分野の具体的な取り組みとして,予防に関しては,文部科学省「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」において東北メディカルメガバンクとの協同によるゲノム解析やPHR構築を進める。この実現に向けては,東芝のセンシング技術やビッグデータ技術,クラウド技術などを活用していくという。
また,診断・治療に関しては,2017年度までに画像診断機器の世界シェアを3位までに入るよう強化していく。具体的にはPET/CTなどの開発のほか,海外市場強化のため新興国向け機器のラインナップ拡充も行う。加えて,高感度ウイルスキット,DNA検査キット,呼気分析検査などを提供していくほか,カプセル内視鏡事業にも参入する。治療については,重粒子線治療システムの海外市場を強化する。
一方,予後・介護については,センシング技術を用いた高齢者向けの在宅サービス,在宅医療・介護支援のための音声によるSNS,介護ロボットなどを提供する。さらに,健康増進関連では,無菌・無農薬の野菜を生産する植物工場や抗菌・ウイルス対策,体内美容などの製品・サービスを市場に投入する。
これらの事業戦略に基づき,今後は診断・治療を中心に売上高を伸ばし,2015年度には6000億円,さらにM&Aを行うなどして2017年度には1兆円をめざすという。そのためにも海外事業を強化するとし,2015年度の海外売上高比率は,診断・治療で約58%,そのほかの分野で約48%を目標に掲げた。これらの実現に向け,2014年4月には,組織体制も刷新する予定である。
説明会では,須藤氏が各分野の事業展開について説明した上で,田中社長がヘルスケア産業で多くの実績があることが東芝の強みであると強調。さらに綱川氏が,これまで医療現場の医療者らと二人三脚で機器を開発してきた経験が,新規参入企業との大きな差であると述べた。説明会の最後に田中社長は,技術を融合して新しい価値を打ち出し,幅広いチャンネルを活用して,競争が激化するヘルスケア事業を勝ち抜く,と決意を述べた。
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