日本IHE協会が「IHE-J 2013コネクタソン」を開催
ー第50回 IHE勉強会とコネクタソン見学会も実施ー
2013-10-30
コネクタソン会場風景
一般社団法人日本IHE協会は「IHE-J 2013コネクタソン」を,2013年10月28日(月)〜11月1日(金)の日程で,東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区)にて開催した。
1999年に米国でスタートしたIHE(Integrating the Healthcare Enterprise)は,HL7やDICOMといった国際的標準規格の技術的な仕様書(テクニカルフレームワーク)を作成し,仕様書に則った製品開発を各ベンダーに働きかけて相互運用性の実現をめざす,医療連携のための情報統合化プロジェクトである。日本においては2001年に,日本画像医療システム工業会(JIRA)が中心となって「IHE-Jプロジェクト」がスタートした。2007年からは,法人化した日本IHE協会として,国内の医療機関の情報ワークフローに即したガイドラインとなるよう検討を続け,普及に向けた活動を行っている。
コネクタソンは,テクニカルフレームワークを実装したシステムをベンダーが持ち寄って,テストシナリオに従った接続検証テストを行い,相互接続性を確認するもので,年1回のペースで開催されている。
今回は,49社81システムが参加し,放射線検査,臨床検査,循環器部門,ITインフラストラクチャ,放射線治療分野,内視鏡検査,患者ケアデバイス(PCD:Patient Care Device)の7つの対象領域(ドメイン)でテストが行われた。接続検証においては,IHE Internationalで開発された進捗管理ツール「Gazelle」に,トランザクションモニタやバリデーションツールといった日本独自の開発を加えることで,審査の効率化を図っている。この審査方法については,自動化により少人数での審査を可能とする手法として,IHE Internationalに提案していく予定だという。
接続テストは,1つのテストシナリオについて,3社以上との接続確認ができること(一部例外あり)が審査合格の条件となっており,今回の評価結果は12月上旬に日本IHE協会のWebサイトで公開を予定している。*
10月29日(火)には,同会場にて第50回 IHE勉強会とコネクタソン見学会が開催され,医療関係者やベンダーなどが多く参加した。勉強会では初めに,代表理事の安藤 裕氏が挨拶に立った。安藤氏は,コネクタソンは実際に接続テストを行うイベントとしてIHE活動の重要な位置を占めていると述べ,参加ベンダー・システム数は年々増加していることを紹介した。また,将来的にはWeb上や,施設単位での実施も見込まれることに触れ,IHEの活動への理解や協力を求めた。
勉強会では,日本IHE協会普及推進委員の法橋一生氏による「IHE概要」に続き,日本IHE協会普及推進委員の坂本 博氏が「業務シナリオ概要」として,情報のワークフローである業務シナリオなどの用語について解説した。続いて,日本IHE協会普及推進委員の松田恵雄氏が「ドメイン概要」を,日本IHE協会接続検証委員会の吉村 仁氏が「コネクタソン解説」を行った。
勉強会終了後には,参加者を数グループに分けてのコネクタソン見学会が行われ,どのように接続テストが行われているかについて,ドメインごとに具体的な説明が行われた。
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*2013/12/16追記
IHE-J2013コネクタソン結果表公開
http://www.ihe-j.org/events/n83/index.html
上記サイトの[IHE-J2013コネクタソン結果表 PDF版]
●問い合わせ先
一般社団法人日本IHE協会事務局
TEL 03-5840-9878 FAX 03-5840-9879
http://www.ihe-j.org/