日本メドトロニック,日本初,条件付MRI対応植込み型心臓ペースメーカシステム「メドトロニック Advisa MRI」を発売し記者発表会を開催
2012-10-19
会場風景
日本メドトロニック(株)は10月18日(木),コンファレンススクエアエムプラス(東京都千代田区)にて,条件付MRI対応植込み型心臓ペースメーカシステム「メドトロニック Advisa MRI」発売の記者会見を行った。
最初に,同社CRDM事業部マーケティング部の坪井 亨氏が,新製品の概要について説明した。同社では,MRIのペースメーカ患者への潜在的なハザードに対応する技術「SureScan」の開発を1997年から行い,2008年にCE承認を取得。SureScanの技術を用いて,2012年3月には,国内で初めてとなる条件付MRI対応植込み型心臓ペースメーカシステム「メドトロニック Advisa MRI」,および条件付MRI対応心内膜植込み型ペースメーカリード「キャプシュアー FIX MRI リード」の薬事承認を取得し,10月1日に国内発売した。同製品は,海外および国内で初めて全身撮像を可能にしたが,体内に同ペースメーカと対応リードのみが植え込まれていることなどの条件や,検査時に確認するチェックリストなどがあり,今後も小冊子やウェブサイトなどをつかった患者へのサポートや,研修用ウェブサイトなどでの医療機関向けサポートを提供していくと述べた。
続いて,杏林大学医学部放射線医学教室教授の似鳥俊明氏が「臨床MRIの有用性」と題して,MRIがなぜ臨床の現場に必要かをCTとの比較で説明した。組織の成分分析に優れたMRIは,種々の撮像法により非侵襲でCTでは描出できない病変を確認することができると述べ,脳外科や整形,婦人科領域などの臨床画像を用いてMRIの有用性を説明した。
最後に,日本不整脈学会会頭・弘前大学大学院医学研究科循環呼吸腎臓内科学講座の奥村 謙氏が,「条件付きMRI対応ペースメーカシステム―放射線科ならびに循環器科との連携,病院全体で取り組むべきポイントについて」と題して講演を行った。日本不整脈学会,日本医学放射線学会,日本磁気共鳴医学会では条件付きMRI対応ペースメーカ発売を受けて施設基準やプロトコール作成等を医薬品医療機器総合機構の協力で行った。70,80歳台に最も多くなる脳梗塞の診断にMRI検査は欠かせないが,ペースメーカ患者は検査を受けることができない現実がある。今後,条件付きMRI対応ペースメーカを普及させるために,施設基準に基づく確実なワークフローを徹底し,患者や家族への啓発活動が必要であると説明した。
●問い合わせ先
日本メドトロニック株式会社
Advisa MRI広報事務局(株式会社オズマピーアール内)
TEL 03-4531-0212
http://www.medtronic.co.jp/