RSNA2017 富士フイルム − X-ray
支柱昇降型で軽量化を図った移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO Go PLUS」を初出展
2017-11-30
RSNA 2017 X-ray
FUJIFILM Medical Systems(富士フイルム)は,新しいX線撮影装置として,移動型デジタルX線撮影装置の新機種「FUJIFILM DR CALNEO Go PLUS」(米国製品名はFDR Go PLUS)をお披露目した。日本国内薬機法は承認済みで,国内では2018年初頭にも発売が予定されているが,移動型X線撮影装置への需要が高い海外市場へのアピールを目的として,一足早くRSNA 2017の会場で展示された。
CALNEO Go PLUSでは,X線管球を保持する支柱が昇降する機構が採用された。従来製品である「FUJIFILM DR CALNEO Go」では,支柱が固定されているため移動時の視界の妨げになっていた。CALNEO Go PLUSでは,支柱が昇降式になったことでコンパクトに収納できるようになり,本体のサイズもスリム化し重量も約20kg軽量化するなど全体をコンパクトにして移動時のユーザービリティを向上させた。液晶モニタについても従来の17インチから19インチに大型化し,検査時の画像確認や操作性を向上させた。また,フラットパネルをホールドできる機構を設け,パネルの清拭やバッテリー交換を容易にした。そのほか,凹凸を少なくしたフラットな操作パネルやウェットティッシュなどの小物入れを設けるなど,使い勝手を考慮したデザインを取り入れているのが特長だ。
また,同時に昨年のRSNA 2016で展示した超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」も出展した。昨年は海外ではW.I.P.だったが,今回は製品としてすでに出荷が始まっている。CALNEO AQROは,グリッドレス撮影を可能にする“Virtual Grid”など富士フイルムの画像処理技術を搭載することで,X線管球や発生器,バッテリー系などを一から見直し総重量90kgと大幅な軽量化と小型化を実現した。これによってパワーアシストなしの取り回しが可能になり,自由な角度でホールドできるフリクションアーム機構などと併せて病棟などでの移動や撮影業務を支援する。ブースでは,領域別に対応製品を展示したPediatric(小児領域)コーナーで,NICUなどでの使用を想定したディスプレイを行った。CALNEO AQROは静音化が図られていること,抗菌加工が施されていることから,騒音や清潔にシビアな小児医療領域での優位性をアピールした。
CALNEO Go PLUSとCALNEO AQROは共に,Virtual Gridや“Dynamic VisualizationⅡ”など富士フイルムの最新の画像処理技術が搭載されている。管球容量が大きくフルスペックのCALNEO Go PLUSと小型軽量のCALNEO AQROがそろうことで,病棟や専用ルーム(救急室やNICUなど)の運用において,施設のニーズにあわせた柔軟な構成で提案できることを印象づけた。