RSNA2016 日立 - CT
スピード,コンフォート,クオリティがそろった16列,64列のCTシステムを来場者にアピール

2016-11-29

富士フイルム

CT


オープン&コンパクトな16列マルチスライスCT「Supria Advance」

オープン&コンパクトな16列マルチスライスCT
「Supria Advance」

日立のCTとしては,16列マルチスライスCT「Supria Advance」と64列/128スライスCT「SCENARIA EX edition」の2機種が展示された。
Supria Advanceは,75cmの広い開口径を持ちながら,ガントリは高さ1.85m×幅2mのオープン&コンパクトな装置。また,ガントリ,寝台,コンソールの3点ユニットも特徴で,クリニックなどスペースの限られた施設へも導入しやすい。技術的な特徴としては,「Intelli IP RAPID(米国での販売名:Intelli IP Quick)」と「ECO mode」,「HiMAR」の3つが紹介された(すべてFDA未承認,日本国内ではリリースずみ)。Intelli IP Quickは,従来の逐次近似再構成Intelli IP(Advance)で課題となっていた演算時間を,最大半分に短縮することができる。また,ECO modeは,電源管理を自動で行うことで消費電力を抑える機能。日中用の「オンタイムスタンバイ」と夜間・休日用の「オフタイムモード」の2種類があり,オフタイムモードは,消費電力を16列クラスで最大35%,64列クラスで最大55%低減することができる。また,金属アーチファクト抑制技術 HiMARは,画像から金属情報を抽出して,アーチファクト成分を予想して差分することで,アーチファクトの少ない画像を取得する。
なお,日本国内では,検出器と管球の交換による64列へのアップグレードにも対応している。発売から3年が経過した「Supriaシリーズ」は,全世界で納入1000台を超える高い評価を得ている。

SCENARIA EX edition(米国での販売名:SCENARIA SE)も,75cmの広い開口径を持つオープンな装置でありながら,0.35秒/回転により心臓の撮像にも対応する。AECと逐次近似を連動して目標SDの取得,または被ばく低減に応用できるIntelliEC Plusや,心位相に合わせて線量を変化させるIntelliEC Cardiacも実装されている。日立の逐次近似(強度レベル1〜7)が,1レベルごとに8%ずつSDを増減する方法をとっていることから,IntelliEC Plusのような精度の高い制御が可能となっている。
さらに,簡易線量レポート「Simple Dose Report」も搭載されている。CT Dose Check機能は,線量が高くなる検査の前にアラートが表示される機能で,そのまま撮影を続ける場合にはパスワードや理由を入力することで検査が可能になる。また,線量管理は,DICOM規格のDose Structured Report(SR)と,線量情報を画像にするSimple Dose Reportの2つの方法で行うことができる。
米国においては,日本のJIRAに相当するThe Medical Imaging & Technology Alliance(MITA)がCT装置に備えるべき要件を規定しており,要件を満たさない場合には診療報酬が減額されるSmart Dose Standard CT(NEMA Standard XR-29)の適用を2016年から開始していて,2017年には減額率が引き上げられるなど,被ばく対策への取り組みが厳しい。今回のRSNA2016で展示した2機種は要件に適合しているため,医療施設の経営にも貢献する。

75cmの広い開口径ながら心臓撮影も可能な64列/128スライスCT「SCENARIA EX edition」

75cmの広い開口径ながら心臓撮影も可能な
64列/128スライスCT「SCENARIA EX edition」

演算時間が従来の逐次近似再構成の約半分になる「Intelli IP RAPID」

演算時間が従来の逐次近似再構成の約半分になる「Intelli IP RAPID」

 

金属アーチファクト抑制技術「HiMAR」の適用前(左),適用後(右)

金属アーチファクト抑制技術「HiMAR」の適用前(左),適用後(右)

 

AECと逐次近似を連動して目標SDを取得する「IntelliEC Plus」

AECと逐次近似を連動して目標SDを取得する「IntelliEC Plus」

 

簡易線量レポート「Simple Dose Report」

簡易線量レポート「Simple Dose Report」

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