RSNA2016 GEヘルスケア - ヘルスケアIT
ディープラーニングへの取り組みや情報共有を円滑にするクラウドソリューション,既存製品の強化をアピール
2016-11-30
「Centricity 360 Case Exchange」の運用概念図
GE Healthcare(GEヘルスケア)のヘルスケアITのコーナーでは,ディープラーニングへの取り組みや,クラウドサービスを用いた情報共有ソリューション,また,「Centricity Universal Viewer」の機能強化をキーメッセージとして,デモンストレーションなどのPRが行われた。
ディープラーニングや機械学習,AIは今回のRSNA 2016の大きなトレンドと言えるが,GEヘルスケアでは,カリフォルニア大学サンフランシスコ校,ボストン小児病院との間で,ディープラーニングを用いた医用画像解析・診断の技術開発に関するパートナーシップを結んだことをブース内でアナウンスしていた。カリフォルニア大学サンフランシスコ校とは気胸の診断支援,ボストン小児病院とは小児の脳MRIの診断支援について,連携して技術の確立をめざす。
また,クラウドサービスを用いた共有ソリューションとしては,「Centricity 360 Case Exchange」を紹介した。日本ではまだ展開していないCentricity 360 Case Exchangeは,従来,紙やCDなどの可搬媒体で行っていた診療情報の提供・共有がクラウド上で可能になる。セカンドオピニオンなどを希望する医療機関は,Webブラウザベースの専用画面から検査画像などのデータをサーバにアップロードした上で,メッセージを送信する。依頼された医療機関は,「Centricity Universal Viewer」のゼロフットプリントビューワで画像を参照,ブラウザ画面から結果を送信する。これにより,地域医療連携などで効率的な情報共有が可能になる。現在は米国でサービスが行われているが,今後日本での展開をめざす。
既存製品の機能強化としては,Centricity Universal Viewerのバージョンが従来の“SP4”から“SP5”へとアップしたことが紹介された。今回のバージョンアップでは,日本をはじめとした各国のユーザーの声を取り入れて,操作性の向上を図るなど,機能の改善を行った。特に従来のビューワである「Centricity RA1000」と異なっていた操作性を見直し,移行したユーザーが違和感なく操作できるようにしたという。日本では2017年春をめどにリリースを予定している。
このほか,放射線部門における装置の利用状況や検査の待ち時間などの情報を分析できる「Centricity Insights」というシステムの紹介も行った。PACSやRISのデータを収集して解析を行う。日本での導入も検討している。