RSNA2016 富士フイルム − X-ray
先進の画像処理技術が生んだ超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」を展示
2016-11-30
超軽量でコンパクトデザインとなった
移動型デジタルX線撮影装置
「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」
FUJIFILM Medical Systems(富士フイルム)は,X線撮影装置のコーナーで,日本で11月から発売したばかりの超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」を展示した。米国での販売はまだ先だが,デジタルX線パネル(FPD)とVirtual Gridなどの画像処理技術を生かすことで,これまでの移動型X線撮影装置の仕様を見直し大幅な軽量化と新しいデザインとなった装置を一足先にアピールした。
FUJIFILM DR CALNEO AQRO(以下,CALNEO AQRO)の最大の特長は,総重量が90kgと従来の一般的な移動型デジタルX線装置から1/5の軽量化を実現したことである。これは,カセッテDR(FPD)にISS方式とノイズ低減回路を搭載したカセッテDR「FUJIFILM DR CALNEO Smart」を採用し,低線量でもコントラストと粒状性を向上できる画像処理技術であるVirtual Gridを搭載したことがポイントになった。Virtual Gridによって,グリッドレスの撮影が可能になり,グリッドがなくなったことで,低いX線出力でも高画質画像が得られるようになりX線発生器の小型化が可能になった。これによって,電源系をはじめトータルで大幅な軽量化とスリム化が可能になった。従来の概念にとらわれず,高画質カセッテDRと画像処理技術によって生まれたメリットをもとに,移動型のデジタルX線装置を“リ・デザイン”した製品と言えるだろう。
さらに,リチウムイオンバッテリーの採用によりフル充電で12時間の連続使用が可能で,充電しながらのX線照射も可能になっている。また,Virtual GridではX線の斜入の問題も解消されるため,フレキシブルアームで自由度の高いアーム構造になっており,片手で簡単に操作できる。その場で回転したり,横移動が簡単な4輪キャスター構造とも併せて,救急や集中治療室,病棟など狭い場所での取り回しが容易になり,なにより軽量でコンパクトなデザインで安全な移動が可能になっている。そのほか,操作パネルとX線照射スイッチを同社独自の抗菌コート技術「Hydro Ag」を使った抗菌仕様などの特長を持っている。
Virtual Gridは,仮想グリッドが1:1から20:1まで拡大し全身での適応が可能になり,さまざまな体格,体厚のグリッドレス撮影に対応できる。ブースでは,体重200kg,体厚55cmの被検者に対して,Virtual Gridによるグリッドレス撮影を行った画像なども紹介した。