ITEM2025 GEヘルスケア・ジャパン 取材速報
“Creating a world where healthcare has no limits”の下,フラッグシップCT「Revolution Vibe」や新型マンモグラフィ「Pristina Via」を発表
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2025-4-12

GEヘルスケア・ジャパンブース
GEヘルスケア・ジャパンは今回,“Creating a world where healthcare has no limits”の下,臨床用フラッグシップCT「Revolution Vibe」や新型マンモグラフィ「Pristina Via」といった新製品・技術を発表し,来場者の関心を集めた。初日4月11日にはアンベールイベントを開催し,両機種を披露した。イベントに臨んだ若林正基代表取締役社長兼CEOは,JRC 2025のテーマ“Radiology for Everyone”について触れ,同社には日野工場を開発・製造拠点として,すべての日本国民により良い医療を届ける使命があると述べた。そして,超高齢化・人材不足が深刻化する中,イノベーションにより医療者の負担軽減などの課題を解決すると訴えた。同時に治療のアウトカムを向上させることが重要だと強調。特に,日本人の主な死因となっているがん,心疾患をターゲットとした製品2機種を発表するとアピールした。

「Revolution Vibe」をアピールする若林正基代表取締役社長兼CEO
多くの来場者が期待を寄せる中で発表されたRevolution Vibeは,目的・用途に応じてスペックを変更するプラットフォームで展開される。ガントリの回転速度は最速0.23s/rot(Revolution Vibe Elite),検出器は160mmのワイドカバレッジとなっている。「SnapShot Freeze 2.0」も搭載しており,心臓CTで威力を発揮する。また,秒間8914viewの高速データサンプリングなどにより,高分解能画像を提供する。また,ディープラーニングを用いて開発した画像再構成技術「TrueFidelity DL」を搭載しているほか,AI 3Dカメラによる高精度なポジショニングを自動化する。

臨床用フラッグシップ機となる「Revolution Vibe」
新型マンモグラフィPristina Viaは,「Senographe Pristina」の後継機種。乳房支持台の角に丸みを持たせて痛みを感じにくくするといった被検者に優しいデザインを継承しつつ,“Mammography, your way.”をコンセプトにワークフローの効率化をめざして開発された。検査者はIDカードを読みこませることで,自動的に事前に設定したプロトコールで検査が可能。さらに「zero-click acquisition」機能により手動操作を削減し,撮影の自動化が図られている。トモシンセシスにも対応。撮影画像の再構成時間を2.5秒と大幅に短縮し,スループットを向上している。

トモシンセシスの画像再構成が高速化された「Pristina Via」
ほかのX線関連では,血管撮影装置においてコーンビームCT(CBCT)のアーチファクトを低減する画像再構成技術「CleaRecon DL」(薬機法未承認)を紹介した。血管撮影装置用ワークステーション「Advantage Workstation(AW)」に搭載され,動脈から造影剤を注入した場合のアーチファクトを低減。視認性の高いCBCT画像を得られる。また,外科用CアームX線撮影装置「OEC 3D」に搭載されるアプリケーション「Spine Suite」と「Lung Suite」を紹介。Spine Suiteはスクリューを自動でナンバリングし,Lung SuiteはCBCT画像上で設定したターゲットを透視画像にオーバーレイ表示して手技を支援する。

「OEC 3D」に搭載される整形外科向けアプリケーション「Spine Suite」
MRIは,1.5T装置「SIGNA Champion」を展示した。前後方向50cmのワイドボア設計,寝台の最低高は乗降しやすい49cmとするなど,被検者に優しい装置となっている。また,ディープラーニングを用いた画像再構成技術として,ノイズ低減などにより高画質化を図る「AIR Recon DL」,撮像の高速化を図る「Sonic DL」を搭載している。このほか,MRエラストグラフィの「MR-Touch」のパッシブドライバーを改良して,被検者の快適性を高めたことを紹介していた。

ワイドボアで被検者に優しい検査が可能な1.5T装置「SIGNA Champion」
MI(核医学)のコーナーでは,シンチレータ素材にBGOクリスタルを採用したSiPM半導体検出器搭載PET/CT「Omni Legend」を展示した。また,同社はセラノスティクスを推進している。そのために,2024年1月には治療モニタリングツールを手がけるMIM Software社を,同年12月には放射性医薬品の製造販売を行う日本メジフィジックス社を買収した。ブースではこれによって薬剤開発から合成,画像診断,治療モニタリングまでをトータルで提供できることをアピールした。

BGOクリスタルを採用したSiPM半導体検出器搭載PET/CT「Omni Legend」
超音波診断装置では,汎用機として「LOGIQ Totus」を披露した。GPUを搭載し,リアルタイムでの画像再構成が可能。「cSound Imageformer」による全視野・全深度フルフォーカスの画像を得られる。また,ワイヤレスポケットエコーの「Vscan Air CL」をプローブとして使用することが可能だ。また,循環器用としては,「Vivid S70N Dimension」を展示した。ディスプレイ上に血管撮影装置の透視画像や術野の映像などを表示させることが可能。体位を変えたり,視線を動かすことなく手技の状況を把握できるようにして走査を支援する。

「Vscan Air CL」をプローブとして使用できる「LOGIQ Totus」
ヘルスケアITでは,「コマンドセンター」をアピールした。2025年2月の時点で,約30の法人,施設が導入している。医療情報システムの情報をリアルタイムで収集,可視化して,経営分析が可能となる。今回は,信州大学医学部附属病院と共同で開発するなど「タイル」を充実させて,放射線部門の業務改善も図れるようになった。「Imaging Finder」は,放射線部門の当日の検査状況をグラフでわかりやすく表示して,診療科の医師が緊急検査などのオーダを適切に行えるようにする。また,画像診断管理加算の算定に必要な読影件数を把握できるので,放射線科医の働き方改革にも寄与する。また,「Imaging Growth」は2週間先までの検査枠をグラフで提示して,最適な検査の配分が可能となる。さらに,「Imaging Expediter」は,各検査室の進捗状況は示して,空き枠の解消を図れる。このほかヘルスケアITでは,VNAのソリューションを紹介した。また,サービスのデジタル化も進めており,オンラインでのサポート「ORiGEN」などをアピールした。ORiGENは,MRI検査におけるデバイスの適合性を検索できるデータベース「Nextant」(メディエ)を利用可能になった。

放射線部門の当日の検査状況をグラフでわかりやすく示す「Imaging Finder」
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社名:GEヘルスケア・ジャパン株式会社
住所:東京都日野市旭が丘4-7-127
TEL:0120-202-021
URL:gehealthcare.co.jp