ITEM2021 イメージワン ブースレポート
電子カルテから内視鏡,超音波レポート,健診システムまでヘルスケアソリューションで“新生”イメージワンをアピール
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2021-5-10
イメージワンブース
2019年から事業体制の変革を進めてきたイメージワンは,ヘルスケアソリューション事業についても従来のPACSに加えて,製品ラインアップを拡充し事業内容を充実させている。2年ぶりの開催となったITEM2021のブースでは,イメージカラーを一新した新ラインアップを勢揃いさせ,“新生イメージワン”を強く印象づけた。「CLEVINO(クレビノ)」は,同社の主力製品だった「POP-Net」シリーズを置き換える新しいPACSで,画像情報はもちろんレポートや動画再生機能,MWM,検像まで豊富な機能を標準で,低コストで提供する。また,医療被ばく線量管理システム「onti(オンチ)」は,核医学部門を含めて線量の記録だけでなく評価や最適化を支援できるのが特徴だ。さらに,2021年4月からサブスクリプション(定額)サービスも始まったクラウド型電子カルテシステム「i-HIS(アイヒス)」,JED対応の内視鏡検査ポート作成プログラム「GF Report」,PACSと連携した健診システムなどこれまでにない多彩なラインアップで展示を構成した。
●動画表示も含めたスピードと豊富な標準機能を提供する“ブランニューPACS”「CLEVINO」
“clever”と“innovation”から命名されたCLEVINOは,スピード,豊富な標準機能,低コストが大きな特徴だ。モダリティの高性能化でCTなどでは1検査で2000スライスが発生するのが普通になっているが,CLEVINOでは従来より20倍以上(同社のPOP-Netとの比較)の画像表示速度を実現しており,大容量画像から動画像までストレスなく扱うことができる。また,標準構成で豊富な機能をそろえており,PACS(DICOMデータの保管・閲覧)のほか,MWM(Modality Worklist Management),簡易QA(検像),Report,PDI Importer/Exporter(画像入出力)などを搭載。そのほかオプションとしてCLEVINO LiveShot(スマートフォンなどからの画像取り込み),CLEVINO Capture(非DICOM画像の取り込み),CLEVINO Publisher(メディア書き込みなど),CLEVINO Echo(超音波ファイリング&レポートシステム),Connectio RIS(放射線情報システム)などをそろえ,ユーザーの要望に対応する。また,動画像にも対応し別サーバを立てることなく,Angio,内視鏡,超音波画像などを静止画ともに一元管理できる。対象としては,200〜300床の中規模病院からクリニックがターゲットとなるが,500床クラスの病院にも対応できる。導入後の追加ライセンスが必要ないことから,規模の拡張やスタッフの増員などに合わせて柔軟な構成で導入が可能なことをアピールした。
●核医学検査も含めて線量の評価や最適化を支援する機能が充実した医療被ばく線量管理システム「onti」
“温故知新”からネーミングされた医療被ばく線量管理システムのontiは,線量の記録だけでなく蓄積されたデータに基づいた線量の評価から最適化までを支援する。CTや各種X線装置(CR,透視撮影装置,マンモグラフィ,パノラマ撮影装置,アンギオグラフィなど)に対応するのはもちろんだが,SPECTやPET-CTなど核医学検査の被ばく線量管理の機能が充実している。ontiは,国際標準規格(Integrating the Healthcare Enterprise:IHE)に準拠して,RDSR(放射線量構造化レポート),核医学分野でのRRDSR(放射線医薬品の放射線構造化レポート)に対応,REM(放射線被ばく監視)/REM-NM(核医学の放射線被ばく監視)のプロファイルに基づいたシステムの構築が行える。ブースでは,価格についても見直し,高機能が評価されて国立医療機関や大学病院での導入や機能評価が始まっていることをアピールした。
CTでは,個人の体格を考慮した医療被ばく指標であるSSDE(size-specific dose estimates)204,SSDE220に対応し,瞬時に自動計算が可能だ。また,検査の品質チェックとして定期的に行われるCTの水ファントムの画像解析を自動的に行って日々の品質管理業務をサポートする。核医学検査では,手入力や複雑な計算が必要だったPET/CTの画質評価の物理学的指標である雑音等価係数(NECpatient,NECdensity)の自動算出に対応し,効率的で正確な核医学画像の分析を可能にする。また,薬剤投与量についてはPET製剤のバイアルに貼付されたバーコードを読み取り,投与時間から核種の半減期に応じた線量を自動計算して,より正確な線量管理を行う機能を搭載する。
●サブスクサービスも開始したクラウド型電子カルテシステム「i-HIS」をPR
2019年から販売を開始したクラウド型電子カルテシステムのi-HISは,完全なクラウド型でオーダリング,電子カルテシステムを提供し,院内にはサーバを必要とせず,クライアントのPCのみでスタートでき,薬価改正やシステムのバージョンアップなどもサーバで対応するため,システム管理のためのスタッフが限られる中小規模病院やクリニックでも容易に導入可能だ。外来だけでなく病棟管理など入院の機能もそろえており,病院の日々の業務を支援する豊富な機能を利用できる。2021年4月からは,月額利用料のみで導入できる“サブスクサービス”も開始し,コストを抑えたシステム導入を支援できることをPRした。同社では,遺伝子検査や抗原・抗体検査キットなどを扱っており,これらを含めてCOVID-19の検査運用管理のソリューションを提供する“新型コロナウイルス対策プロジェクト”を展開しているが,その中で検査運用システムとしてi-HISを組み合わせたサービスも提供していく予定だ。
そのほか,JED(Japan Endoscopy Database)対応内視鏡検査レポート作成プログラム「GF Report」は,日本消化器内視鏡学会の診療データベースプロジェクトであるJED-Projectに対応した内視鏡レポートを,柔軟なレイアウトで簡単に構築できるプログラムだ。紙ベースのレイアウトで画面上に構築でき,入力したデータはJEDの項目と自動でひも付けられてデータベース化することができる。さらに,PACSと連携した運用が可能な「健診システム」やnonDICOM画像の取り込みシステムなど,新たに投入された製品やソフトウエアを紹介し,イメージワンがPACSだけでなく医療・ヘルスケア領域でより幅広いサービスを提供できることを印象づけた。ヘルスケア事業推進部長に川本卓司氏は,イメージワンの新しい製品ラインアップについて,「CLEVINOとi-HISは中小規模の病院向けとして,豊富な機能をリーズナブルな価格で提供する。イメージワンの強みの1つは,これらのシステムをすべて自社や協力会社で開発していることで,さまざまな要望にも柔軟に対応できることだ。コロナ禍で厳しい経営環境にある病院をサポートするようなシステムを提供していきたい」と述べている。
●お問い合わせ先
社名:株式会社イメージワン
住所:東京都新宿区新宿6-27-30
TEL:03-6233-3420
URL:http://www.imageone.co.jp