富士フイルムグループ,ヘルスケアITから医薬IoTまで医療機関のDXを支援するソリューションを展示

2024-7-26

富士フイルム

富士フイルムメディカル(旧 富士フイルムヘルスケア)


国内営業部門の再編で新体制となった富士フイルムメディカルのソリューションを中心に展示

国内営業部門の再編で新体制となった
富士フイルムメディカルのソリューションを中心に展示

富士フイルムグループは,富士フイルムメディカル,富士フイルムメディカル医療ソリューションズが出展した。富士フイルムメディカルは,2024年7月1日に富士フイルムヘルスケアの国内営業部門を統合したばかりで新体制での展示となった。展示ブースは,ヘルスケアITソリューションとクリニックソリューションの2エリアをメインに設けて,そのほか医薬IoTソリューション,感染対策などで構成した。新体制発足で,PACSや画像解析などのヘルスケアITからCT,MRI,超音波,内視鏡といった画像診断機器,臨床検査装置,医薬IoTまで,幅広い機器・システムがそろったこともあり,今回のホスピタルショウでは最大規模のスペースでの展示となった。

●クリニックソリューション AI技術による診断支援やX線,骨密度測定装置でクリニックのIT化を支援

クリニックソリューションでは,クリニック向けの画像診断ワークステーション「C@RNACORE」と,胸部X線画像から病変を検出するソフトウエアである「CXR-AID」を搭載した小型拡張ユニット「EX-Mobile」を展示した。C@RNACOREは,X線画像や内視鏡などの画像保管,処理,電子カルテとの連携など多彩な機能でクリニックの業務を支援する。EX-Mobileは,AI技術を活用して胸部単純X線画像から病変の存在が疑われる領域をマーキングして診断を支援するCXR-AIDを利用できる小型の拡張ユニット。LANやWi-Fiで接続することで簡単にCXR-AIDを利用できる。展示では,EX-Mobileの累計販売台数が2000台を突破したことをアピールしていた。

クリニック向けの画像診断ワークステーションの「C@RNACORE」

クリニック向けの画像診断ワークステーションの「C@RNACORE」

 

CXR-AIDを搭載した小型拡張ユニットの「EX-Mobile」は累計販売台数が2000台を突破

CXR-AIDを搭載した小型拡張ユニットの「EX-Mobile」は累計販売台数が2000台を突破

 

同じくクリニックソリューションのコーナーでは,クリニック向けX線診断システム「CLINIX Plus」と,X線骨密度測定装置「ALPHYS LF」を組み合わせた検査室のレイアウトを提案した。CLINIX Plusは最小設置面積2.7m×1.8mのコンパクト設計の立位,臥位の撮影が可能なX線撮影装置であり,寝台と組み合わせて骨密度度測定が可能なALPHYS LFと組み合わせることで,従来よりも約40%設置面積を削減できる。

X線撮影装置と骨密度測定装置を組み合わせたコンパクトな撮影室を提案

X線撮影装置と骨密度測定装置を組み合わせたコンパクトな撮影室を提案

 

●医薬IoTソリューション AI技術や画像認識技術を活用して薬剤部門の監査業務を効率化

医薬IoTソリューションでは,薬剤部門の業務を支援する一包化監査支援システム「PROOFIT 1D Ⅱ」,次世代型薬剤識別システム「PROOFIT iQ」を展示した。PROOFIT 1D Ⅱは,分包して一包化された薬剤の内容が処方と相違ないかを,画像認識技術を使って自動で監査を行うシステム。現在は,薬剤師が目視で行っているが,PROOFIT 1D Ⅱでは富士フイルムが培ってきた写真や医療分野での画像認識技術を活用して1分間で約40包を処理できる。錠剤の刻印や文字の強調表示,錠剤の表裏や向きをそろえた一覧表示などで監査を支援する。PROOFIT iQは,スマホで薬剤を撮影し画面をタップするだけでAI技術で識別し,簡単で正確な薬剤識別を実現する。

分包した薬剤の内容を画像認識技術で自動で監査を行う「PROOFIT 1D Ⅱ」

分包した薬剤の内容を画像認識技術で自動で監査を行う「PROOFIT 1D Ⅱ」

 

錠剤の刻印や文字は強調表示されモニタで監査できる

錠剤の刻印や文字は強調表示されモニタで監査できる

 

●ヘルスケアITソリューション AIによる診療録要約支援機能などで医療機関のDXをサポート

ヘルスケアITソリューションコーナーでは,診療文書管理・診療業務支援ソリューション「Yahgee」,統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder」を展示した。Yahgeeでは,退院時要約の作成をカルテデータから患者プロファイル,病名,検査データなどを取り込んで作成できるが,新たに追加された退院サマリの作成を支援する「診療録要約支援機能」を紹介した。診療録要約支援機能では,検査所見や経過記録など入院中の診療録の記載データから,AI技術を用いて重要度を高・中・低で重み付けを行い,重要な部分をカラーで強調表示したり,重複などの不要な部分はグレーアウトするなどで作成を支援する。この機能は,名古屋大学医学部附属病院と共同研究で開発された。また,CITA Clinical Finder(CITA)では,「クリニカルフロー機能」で入院から退院までに必要な書類の作成状況を一覧で確認して進捗を管理できる。そのほか,CITAではレポートの既読管理の機能などを紹介した。

「Yahgee」の診療録要約支援機能

「Yahgee」の診療録要約支援機能

 

「CITA Clinical Finder」ではクリニカルフロー機能で書類の作成状況を一覧で把握可能

「CITA Clinical Finder」ではクリニカルフロー機能で書類の作成状況を一覧で把握可能

 

「CITA Clinical Finder」のレポート既読管理機能

「CITA Clinical Finder」のレポート既読管理機能

 

「Hellseher Next(ヘルゼアネクスト)」は,大規模健診センター向けの健診業務をトータルにサポートするシステム。年間10万件以上の健診を行う施設が対象で100万から200万件を行う施設への導入実績もある。Hellseher Nextは,施設内健診,巡回健診の両方に対応し,契約者管理,予約・受付,結果入力,報告書の出力・送付,請求・入金,データ分析・統計,健診業務の経営支援など基本的な健診業務をカバーする。特長としては,1) 50年以上の開発実績をベースにした完成度の高いパッケージシステム,2) 自由度の高い設定機能,3) 専門部隊(ヘルゼアサポートセンター)による保守管理体制などをアピールした。

健診業務トータルサポートシステム「Hellseher Next」

健診業務トータルサポートシステム「Hellseher Next」

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