富士通Japan,データ活用で“Healthy Living”を実現しニューノーマル時代のヘルスケアを支えるソリューションを展示
2021-8-13
新たなスタートを切った富士通Japanブース
富士通Japanは,富士通の自治体,教育・医療機関を担当するビジネス部門とシステムエンジニア,富士通マーケティング,富士通エフ・アイ・ピーなどを統合して2020年10月に発足した。2年ぶりの開催となった国際モダンホスピタルショウ2021は,富士通からの統合が終了し,4月から新たなスタートを切ったヘルスケア部門のお披露目の場ともなった。
29日(木)の出展社プレゼンテーションセミナーでは,「富士通が新しい日常で目指すヘルスケアへの貢献~データドリブンが生み出すHealthy Living」を開催した。冒頭に富士通Japanのソリューション開発部グループのグループ長の国分出氏が挨拶し,日本国内の課題解決力の強化のため富士通グループが持つ強みを結集してスタートしてのが富士通Japanだとして,「これまでの豊富な実績をベースに提案力と技術力を生かして,“新たな価値”を提供し社会課題の解決に取り組んでいきたい」と述べた。また,セミナーではヘルスケアソリューション開発本部長の森田嘉昭氏が登壇し,富士通の5つの重点領域の中のヘルスケア領域でめざすのは,“Healthy Living(健康な生活)”であるとして,そのために,子どもから高齢者まであらゆる人のウェルビーイングを実現すること,医療・健康データとデジタル技術の活用が重要になると述べた。その上で,今後,“データドリブンヘルスケア”を実現するのためのヘルスケアビジョンとして,電子カルテシステムをプラットフォームとした病院情報システムの構築,地域医療連携のさらなる活性化,NDBやPHRとのデータ連携・活用を進めていくと述べた。
ブースでは,“診療・介護の効率化”“先進医療への貢献”“健康・QOLの推進”のテーマを掲げて,電子カルテシステム「HOPE LifeMark-HX」,クラウド型電子カルテシステム「HOPE Cloud Chart II」などの製品を展示,2年ぶりのホスピタルショウということもあり,新製品や初出展のソリューションが揃った。また,今回の国際モダンホスピタルショウ2021はハイブリッド開催となっており,8月31日(火)までオンラインでの展示も行われている。
●ニューノーマル時代に対応する豊富な機能を搭載した「HOPE LifeMark-HX」
富士通Japanが掲げるデータドリブンヘルスケアの中で,電子カルテシステムは医療機関のさまざまな情報を集約して循環させるための基盤として位置づけられている。HOPE LifeMark-HXは,その基盤となるべく,ニューノーマル時代に合わせた機能やオプションを含めてバージョンアップし,新・LifeMark-HXとしてリスタートした。新しいLifeMark-HXでは,外来患者数や病床利用率,病棟の稼働状況などの情報を1画面に集約して参照できる“ダッシュボード”や,患者情報を時系列に一覧で表示する“LifeMark-GRID”,医療従事者の判断を支援して医療安全や収益向上に貢献する“NaviChart”などの機能を搭載する。また,ニューノーマルオプションとして,院内での“Webミーティング機能”,外部からセキュアにカルテ参照を可能にして業務負担を分散する“リモートワーキング機能”などを紹介した。
さらに,「HOPE LifeMark-TeleHealth」では,同社が提供する患者向けモバイルソリューション「HOPE LifeMark-コンシェルジュ」と連携して,電子カルテ(LifeMark-HX)から直接オンライン診療が可能になったことをアピールした。予約時にオンライン診療を選択しておくことで,診察時には患者のスマートフォンとビデオ通話によって,カルテのデータを参照しながら診察が可能になる。
●他施設とのベンチマーク機能を搭載したクラウド型電子カルテシステム「HOPE Cloud Chart II」
中小規模医療機関向けのクラウド型電子カルテシステムの「HOPE Cloud Chart II」は,2021年1月に発売された。クラウド型のメリットを生かして,病院のニーズに合わせて必要なサービスや機能を組み合わせて,柔軟に導入することができるのが特徴だ。また,“経営ダッシュボード機能”では,病床稼働率や医業収益などの項目を数値やグラフなどで“見える化”して経営をサポートする。厚生労働省の“病院経営管理指標”に基づいた比較や時系列推移を可視化できるほか,今後はCloud Chart IIを導入した施設間でのベンチマーク機能なども提供される予定で,厳しい病院経営が続く中小医療機関の運営をサポートする。
●先進医療への貢献や病院の働き方改革への対応などヘルスケアの課題に対応するソリューション
ゲノム医療ソリューション「HOPE LifeMark-GiMS」は,がんゲノム医療のデータの利活用や効率化を支援する“ゲノム検査業務支援システム”と,遺伝性疾患の家系情報の記録管理を行う“家系情報収集・蓄積システム ファミリーカルテ”を展示した。2019年に遺伝子パネル検査が保険収載され“がんゲノム医療”が本格的にスタートしている。ゲノム検査業務支援システムでは,遺伝子パネル検査の結果やレポート,がんゲノム情報管理センター(C-CAT)の調査結果などを一元管理して,遺伝子解析の結果を検討するエキスパートパネルの業務を支援する。また,ファミリーカルテでは,遺伝や疾病の情報を含めた家系図の作成・編集・閲覧を可能にして,遺伝子情報に基づいて進められる遺伝性疾患の診療をサポートする。電子カルテとも連携しながら,セキュリティを担保して遺伝子情報という機微な情報を扱えるのが特徴だ。
また,勤怠管理支援システム「HOPE タイムリフォーマー」は,2024年から施行される医師の働き方改革に向けて,労働時間の把握,年休や時間外労働の管理など病院全体の勤務管理を支援するシステムだ。スマートフォンなどを利用した打刻や,自己研鑽や当直など医療従事者の働き方に沿った勤怠管理を可能にする。
●お問い合わせ先
富士通Japan株式会社
ヘルスケアソリューションビジネス推進統括部
国際モダンホスピタルショウ2021 富士通Japanブース事務局
TEL:03-6252-2701(平日 9:00〜11:50 12:50〜17:00)