NEC,AIやロボット技術などで医療の効率化や働き方改革を支援する多くのソリューションをアピール
2019-7-19
NECブース
NECは,南展示棟1階の南1ホールに出展した。今回はブースをシステム別ではなく,“医療安全と業務効率化の両立”“健康寿命延伸×AI”“働き方改革×ICT”の3つのゾーンに分けて展示を構成した。安全と業務効率化では,電子カルテシステム「MegaOak/iS」,地域医療連携ネットワークサービス「ID-Link」などを展示。健康寿命延伸のコーナーでは,医療画像診断支援システム(技術紹介),健診結果予測シミュレーションなどのソリューションを紹介した。働き方改革では,顔認証技術やRobotic Process Automation(RPA)などを用いた業務の効率化や院内のオペーレションの最適化などの事例をアピールした。
●医療従事者に寄り添う大規模向け電子カルテ「MegaOak/iS」
“医療安全と業務効率化の両立”で展示された電子カルテシステム「MegaOak/iS」は,“医療従事者の目線に寄り添い,思いを伝える”をコンセプトに開発された。大規模病院向けのシステムとして着実に導入実績を伸ばしている。システムとしては,安全で確実な業務を支援するために視認性の向上などユーザーインターフェイスの工夫や機能の向上を図っている。ブースでは,“KeyValue”や“クリニカルデスクトップ”などMegaOak/iSの特徴的な機能を中心に来場者に説明した。また,“ヒストリーマップ”では部門を含めた診療情報の一括管理が可能で,電子カルテを中心とした病院情報の統合管理が可能になることをアピールした。
●健診結果予測などAIによる健康,医療のサポートシステムを展示
“健康寿命延伸×AI”のコーナーでは,AIを使ったさまざまなシステムが紹介,提案された。「NEC 健診結果予測シミュレーション」は,蓄積された過去の定期健診データから導き出された健診結果予測モデルを用いて,将来の健康状態を予測して可視化するシステム。予測モデルの生成にNEC独自のビッグデータ解析技術(異種混合学習技術)を使っている。シミュレーションでは現状の生活を続けた場合の将来予測のほか,生活習慣を見直した場合の改善状況なども提示でき,受診者の行動変容を促す効果が期待される。同システムは,2019年6月にオープンした倉敷中央病院附属予防医療プラザに導入され,健診結果予測の精度向上に取り組む。また,国立がん研究センターと共同開発を進めている「リアルタイム内視鏡診断サポートシステム」についても,技術紹介として展示した。
●北原病院グループとのAIを活用した共創事例を紹介
“働き方改革×ICT”では,北原病院グループ(医療法人社団KNI)と共同で実証を進めている,“デジタルホスピタル”や“デジタルリビングウィル”の取り組みを展示した。NECとKNIは,“AIを活用した医療・社会改革に向けた共創”に取り組んでおり,その中で医療の質の向上と業務効率化をめざすのがデジタルホスピタルのコンセプトである。ブースでは,その中でAIを活用して不穏検知や誤嚥性肺炎のリスクを早期に検出するシステムの成果などを紹介した。また,予防と地域医療までを包括した取り組みとして,2019年7月9日にプレスリリースされたデジタルリビングウィルの概要と,そのベースとなる“北原トータルライフサポート倶楽部”のコンセプトを紹介した。
●ICTやロボット技術で医療現場の働き方改革を支援
“働き方改革×ICT”では,NECの持つさまざまな最新技術を医療やヘルスケア領域に応用した事例も紹介された。AIチャットボット「NEC 自動応答」は,従来は電話やメールで行われていた問い合わせの対応をWebやLINEなどのSNS,音声などで自動回答するシステムだ。実際に,救急相談にチャットボットを利用した「埼玉県AI救急相談」が,2019年4月からの試行導入を経て,7月から本格稼働している。ブースでは,院内でのME機器の予約,貸し出しのやりとりにAIチャットボットを使って業務の効率化を図るシステムを紹介し,来場者の注目を集めていた。
また,近年,PCで行う作業や操作をソフトウエアロボットに記憶させて業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)が注目されている。「NEC Software Robot Solution」は,アイコンから選択し実際のPC操作を行うだけで業務の自動化ができるのがポイントだ。ブースでは,電子カルテシステムで特定のキーワードで検索し,該当した患者に同じテキストを入力するという業務を自動化する様子などを紹介した。
●お問い合わせ先
社名:NEC
住所:東京都港区芝5-7-1 NEC本社
TEL:03-3798-6756
URL:megaoak.com