富士フイルム,“DACS”機能を追加した「CITA Clinical Finder」の新バージョンなど最新のITソリューションを展示
2019-7-18
富士フイルムメディカル,
富士フイルムメディカルITソリューションズ,
富士ゼロックスが共同出展
富士フイルムメディカルは,今回の国際モダンホスピタルショウ2019では富士フイルムメディカルITソリューションズと富士ゼロックスと共同出展し,富士フイルムグループとして医療,ヘルスケアIT分野で,最先端かつ幅広い領域で豊富なソリューションを提供できることをアピールした。南展示棟の1階(南1ホール)にブースを構え,AI技術を採用した画像診断ソリューションからフィルムで培ってきた技術を応用した抗菌シートまで幅広い製品,ソリューションを展示した。
●“DACS”の機能を追加したCITA Clinical Finderの最新バージョンを展示
今回の共同出展の目玉となったのが,統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder」(以下,CITA)に,富士ゼロックスの「Apeos PEMaster ProRecord Medical」(以下,ProRecord)の機能が統合されたことだ。2018年の国際モダンホスピタルショウでも,両システムの連携機能が紹介されたが,最新バージョンのCITAでは,ProRecordのツリービュー,マトリックスビュー,仮想プリンタ,チェックマーク解析の機能を搭載し,診療録を電子化し原本として管理,運用する機能が強化された。ProRecordは,大阪大学医学部附属病院が提唱した“DACS(Document Archiving and Communication System)”のコンセプトに基づいた製品で,院内で発生する情報をドキュメント(PDF,XMLなど)を中心に管理するソリューションである。CITAにはライムラインビューやレイアウトビューなど,診療情報を集約して表示することで診断や治療をサポートする機能があるが,ProRecordのDACSのコンセプトに基づいた文書管理の機能を追加することで,電子化を前提とした医療機関の情報管理をトータルでサポートすることが可能になった。ブース内のプレゼンテーションステージでは,CITA Clinical Finderを活用する慈恵医科大学附属病院,佐賀県医療センター好生館の事例などが紹介された。
●被ばく線量管理システム「DOSE MANAGER」
2020年4月からの義務化に伴い注目を集めている被ばく線量管理システムとして「DOSE MANAGER」を展示した。DOSE MANAGERでは,単なる被ばく線量管理にとどまらず,各モダリティから収集した線量情報を統合し,放射線影響度を推定する係数処理を行うことで,患者ごとの被ばく線量情報としてデータベース化できる。また,PACSやRISと接続して蓄積されたデータが二次利用でき,RISで入力された基本情報や実施情報などを利用したり,PACS側に画像と共に線量管理データを送信したりといった活用が可能になる。さらに,放射線科内だけのデータの管理や活用だけでなく,院内でも利用できるように線量管理のレポート機能が強化されており,CITAを使うことでほかのレポートや検査データと同様に統合管理が可能になっている。
●抗菌効果を長続きさせる“Hydro Ag⁺”技術を使った環境清拭材などを紹介
“Hydro Ag⁺”は,富士フイルムのフィルム技術を生かして開発された抗菌技術で,銀系抗菌剤と超親水ポリマーを組み合わせて,除菌効果を持続させることができる。ブースでは,アルコール除菌にHydro Ag⁺をプラスして“持続除菌”が可能な「アルコールスプレー・クロス」や,Hydro Ag⁺を配合した「薬用ハンドジェル」(医療従事者向け)などを紹介した。殺菌効果と同時に手荒れなどを防ぐ薬用ハンドジェルは,2019年9月発売予定。
●「NEXUS」と「SYNAPSE 5」を組み合わせた循環器ソリューションを提案
内視鏡・生理検査情報管理システム「NEXUS」は,内視鏡画像や生理検査の情報や,受付などのワークフローを統合的に管理できる情報システム。NEXUSでは,レポート作成機能も搭載しており,心臓超音波検査の壁運動の解析などのレポートを作成できる。PACSの「SYNAPSE 5」では動画像の統合管理が可能になったことから,NEXUSと組み合わせて超音波の動画像を参照しながらレポート作成ができる,“循環器ソリューション”として提案した。SYNAPSE 5では,サーバサイドレンダリングで処理を行うことから,端末のスペックにかかわらず高速表示できる。また,心エコーのLV機能解析などの計測機能も搭載されている。SYNAPSE 5とNEXUSの機能を利用することで,新たなシステムを導入せずに循環器領域の情報管理システムが構築できるメリットをアピールした。
●お問い合わせ先
社名:富士フイルムメディカル株式会社
住所:東京都港区西麻布2-26-30
TEL:03-6419-8033
URL:http://fms.fujifilm.co.jp