日立グループ,情報の利活用をはじめ,加速する医療のニーズに応える先進的なソリューションを多数展示
2016-7-15
日立グループブース
日立グループ(日立製作所,日立メディカルコンピュータ,日立INSソフトウェア,日立産業制御ソリューションズ,日立超LSIシステムズ)は,研究段階の試作品も含め,これからの医療に求められる先進的なソリューションやサービスを来場者にアピールした。ブースに設けられたプレゼンテーションステージでは,今回展示しているソリューションについてのプレゼンテーションが30分おきに行われた。
日立製作所は,独立行政法人国立病院機構が推進する「電子カルテデータ標準化等のためのIT基盤構築事業」に参画しており,ブースでその概要を紹介した。この事業において日立製作所は,参加病院(2016年3月時点で41病院)からSS-MIX2形式で電子カルテデータ(6ベンダーに対応)を集積するマルチベンダー対応データ集積基盤を構築した。電子カルテデータやレセプト情報を一元化することで,データの分析・解析に生かすことをめざしている。データ収集の過程での構文チェック,また,国立病院機構が独自に定める検査データの書式のチェックを行い,エラーのない情報を収集し,精度の高いデータベースの構築に取り組んでいる。
日立マクセルが開発中の「磁気センサ型指タッピング装置UB2」(非医療機器)の試作品が参考展示された。これは,親指と人差し指に磁気センサを装着し,二指間距離を測定できる装置。二指間距離や速度,加速度を測定でき,そこから算出したパラメータを付属ソフトウエア「JustTap」でレーダーチャート表示し,健常者データと比較することができる。国立長寿医療研究センターと日立製作所が指のタッピング運動パターンと認知症の相関についての研究を進めており,指タッピング運動パターンの測定で,将来的には認知症やパーキンソン病の早期発見,重症度の定量化ができる可能性があると期待される。
「病院情報見える化ソリューション」は,院内で蓄積しているレセプトデータやDPCデータ,電子カルテデータなどを一元管理して分析することで,医療の質の向上,経営の質の向上につなげるソリューションである。従来,院内では,各システムにデータが蓄積されており,データ利用にあたってはプログラミングなどに詳しいスタッフが情報を収集し,加工する必要があった。それに対し,このソリューションを用いることで,データを都度集めたり加工したりする必要がなくなり,誰もがデータを活用することができるようになる。データ活用に主眼を置くため,大部分をマウスのみで操作可能な直感的なインターフェイスを開発するとともに,Excelでのドリルダウン分析も可能。グラフィカルな分析ツールは,ユーザーのニーズをヒアリングした上で構築される。また,地図データが標準で付属し,クリニックや患者宅などの情報をマッピングできる。最新のバージョンでは「ルート検索機能」が搭載され,巡回バス経路の見直しや,訪問介護における最適ルートの検索などが可能になっている。