乳房MRIを極める!
サーベイランスからMRIガイド下生検まで
乳房MRIを極める!
サーベイランスからMRIガイド下生検まで
2019年7月5日発行
編著者:戸﨑 光宏
相良病院附属ブレストセンター放射線科部長
昭和大学医学部放射線医学講座客員教授
著者:相良 安昭(相良病院院長/乳腺科)
大井 恭代(相良病院副院長・病理診断科部長)
佐々木道郎(さがらパース通りクリニック放射線診断センター長)
個別化医療の時代に,変わりゆく乳がん検診とMRIの役割。
MRIガイド下生検の保険収載により高まる乳房MRIの重要性。BI-RADS-MRI編集委員を務めた編著者がグローバルな視点で,乳房MRIの基礎知識からMRIガイド下生検までを徹底解説します!
<推薦します>
長年,MRIの乳腺領域での活用を牽引してきた戸﨑光宏先生が,これまで培ってきたノウハウを余すところなく披歴した一冊。欧米では,遺伝性を含む乳癌ハイリスク女性へのMRI検診や,MRIでしか描出し得ない病変へのMRIガイド下生検が積極的に行われている。日本の乳腺診療がガラパゴス化しないためにも,ぜひ一読をお勧めする。
中村清吾:昭和大学医学部乳腺外科教授
◆B5判(並製・カバー)4色刷り 270頁
定価7,920円(本体7,200円)(2019年7月5日刊行)
発売元:株式会社 インナービジョン
〒113-0033 東京都文京区本郷3-15-1
TEL 03-3818-3502 FAX 03-3818-3522
◆電子ブック 7200円(税込)
http://www.shinanobook.com/genre/book/4300
※電子ブックの立ち読みもできます
●目次
■第Ⅰ章 乳房MRI:レクチャー編 乳房MRI読影の基礎知識(戸﨑光宏)
(1) 読影の順番
Abbreviated MRIからわかること
(2) 撮像法の基本概念
(3) 乳癌の広がり診断
(4) 月経周期とBPE
■第Ⅱ章 乳房MRI:解説編
第1部:変わりゆく乳がん検診とMRI(戸﨑光宏)
1.はじめに
2.マンモグラフィ検診神話の崩壊
2-1.『乳癌診療ガイドライン2015年版』での改訂のインパクト
2-2.2Dマンモグラフィの限界:3Dマンモグラフィ・造影マンモグラフィの登場
2-3.J-STARTの結果
3.デンスブレスト
3-1.乳腺濃度が示す2つの意義:個別化検診
3-2.ナンシーさんの功績:デンスブレストの通知
3-3.日本の現状
4.過剰診断
4-1.過剰診断の定義
4-2.石灰化病変に対するMRIの役割
4-3.Calcified DCIS:MRIの弱点か? 癌もどきか?
5.DCISに対する治療の変遷─米国の大規模癌データベースを用いたコホート研究の経験から
(相良安昭)
5-1.米国における癌のデータベース
5-2.DCISと乳がん検診
5-3.DCISに対する集学的治療
5-4.DCISに対する手術療法の変遷
5-5.DCISに対する放射線治療の変遷
5-6.DCISに対する内分泌療法の変遷
5-7.今後の展望
第2部:日本のガイドラインから見る乳房MRI(戸﨑光宏)
1.はじめに
2.乳腺CTがはやった理由
2-1.ガイドラインにおけるCTとMRIの扱い
2-2.日本と欧米の乳腺画像診断医の違い
2-3.普及しなかったダイナミックMRI
2-4.乳腺CTが日本で普及した背景
2-5.乳腺CTは乳房MRIに置き換わるのか?
3.乳腺CTで筆者が取り組んだこと:乳癌の広がり分類
4.乳房MRIの適応
4-1.日本のガイドライン上での進化
4-2.日本と欧米との比較
4-3.広がり診断:その意義は世界で議論されている
5.乳房MRIサーベイランス
5-1.欧米では一番の適応
5-2.乳がんハイリスク女性に対するMRIサーベイランス:海外のデータ
5-3.乳がんハイリスク女性に対する日本での取り組み
5-4.国内初の乳房MRIサーベイランス前向き試験:厚生労働省科研費事業
6.ハイリスク外来:個別化サーベイランスに必要な知識
6-1.MRIサーベイランスを行うための準備:quality-assured breast MRI
6-2.BRCA1とBRCA2は,分けて対応すべきでは
6-3.BRCAの画像の特徴
6-4.“Beyond HBOC”:パネル検査の時代の個別化サーベイランス
6-5.実際のハイリスク外来
第3部:BI-RADS-MRIと読影方法(戸﨑光宏)
1.はじめに
2.欧米の合作,BI-RADS-MRIの誕生
2-1.撮像法の歴史(ダイナミック撮像vs. 高分解能撮像)
2-2.脂肪抑制法:サブトラクションの意義
2-3.Kinetic curveの定義:ドイツの概念を採用
2-4.後期相は何分まで必要か:abbreviated MRIの欠点
3.腫瘤(用語の解説)
3-1.変更された用語
3-2.Shape/margin
3-3.時相により異なる評価
3-4.Internal enhancement
4.非腫瘤性病変(用語の解説)
4-1.BI-RADS-MRI 第2版を編集
4-2.厄介な存在であった“ductal enhancement”
4-3.採用されなかった “branching”:本来のあるべき姿とは
4-4.Internal enhancement
4-5.筆者の評価方法
5.BI-RADSのカテゴリー分類
5-1.アセスメントカテゴリーとマネジメント
5-2.カテゴリーのヒエラルキー
6.読影方法の変遷
6-1.Göttingen score(Fischer’s score)
6-2.さまざまな読影方法
6-3.筆者の読影方法
6-4.実践編:症例解説
Break Time:超音波について(戸﨑光宏)
1 乳房超音波検査のカテゴリー分類 〜筆者の考え方〜
2 乳房超音波検査のカテゴリー分類 〜ドプラ法を加味すべきか??〜
3 腫瘤に使う用語(1)〜消えたechogenic halo〜
4 腫瘤に使う用語(2)〜前方境界線の断裂の問題点〜
5 アップグレード方式を採用した理由
6 BI-RADS カテゴリー4(A,B,C)の問題点
7 BI-RADS カテゴリー3の所見
8 囊胞性病変とcomplex cystic and solid mass
9 日本のカテゴリー分類(カテゴリー3)とどう付き合うか
超音波検診のカテゴリーとは
BI-RADSに非腫瘤性病変はない?
自動超音波検査でわかったこと 〜圧迫の意義〜
第4部:乳腺病理(大井恭代)
1.はじめに
2.乳腺症とは
3.非浸潤性乳管癌(DCIS)の病理
4.おわりに
第5部:バイオマーカーとしてのMRI(戸﨑光宏)
1.はじめに
2.術前薬物療法におけるMRIの役割
2-1.薬物療法終了後の癌の残存評価
2-2.薬物療法の治療効果判定や治療効果予測
3.MR スペクトロスコピー(MRS)
3-1.乳腺MRSで観察される代謝物質
3-2.撮像技術
3-3.良悪性の鑑別
3-4.バイオマーカーとしてのMRS vs. PET
3-5.治療効果予測:MRS vs. PET,DWI
4.PET/MRIによる乳癌診療(佐々木道郎)
4-1.はじめに
4-2.PET/MRIの特徴
4-3.PET/MRIの適応
4-4.撮像方法および読影方法
4-5.PET vs. DWI
4-6.症例提示
4-7.将来展望
■第Ⅲ章 MRIガイド下生検(戸﨑光宏)
第1部:MRIガイド下生検の歴史
1.はじめに
2.ドイツ留学のエピソード:乳腺を専門にした理由
3.MRI-guided interventionのさまざまなデバイス
4.2つの論文の紹介(欧州の多施設研究とコンセンサス会議)
第2部:日本での保険収載までの11年間
1.MRI検出病変の対応:USガイド下生検の限界
2.日本でのMRIガイド下生検の立ち上げ
2-1.吸引式生検のデバイス
2-2.日本での普及活動
2-3.日本での成績
2-4.MRIガイド下生検の精度管理
第3部:手技の解説
1.欧州で普及したaiming device
2.現在の標準的手技(グリッドとピラー)
3.MRIガイド下生検のテクニック
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
シーメンスヘルスケア株式会社
株式会社フィリップス・ジャパン
GEヘルスケア・ジャパン株式会社