富士フイルム,健診サービス事業の新拠点「NURA Global Innovation Center(ニューラ グローバル イノベーション センター)」をインドに開設
健診サービスに加え,医療スタッフ向けトレーニングや遠隔読影も実施
2024-12-24
「NURA Global Innovation Center」のイメージ図
富士フイルム(株)は,12月24日,健診サービス事業の新拠点「NURA Global Innovation Center(ニューラ グローバル イノベーション センター)」をインドのケララ州にあるコジコードにオープンする。今回オープンする「NURA Global Innovation Center」は,がん検診・生活習慣病検査サービスを提供する健診センターとしての機能のほか,同社が新興国への展開を加速している健診センター「NURA」で働く医師・技師・看護師などの専門人材を育成するトレーニングセンターとしての機能や,インド国内の各「NURA」で撮影された医用画像を遠隔で読影する集中読影センターとしての機能を有する,健診サービス事業のさらなる拡大に向けた戦略拠点である。
富士フイルムの健診サービス事業について
同社は,2021年にインドのベンガルールに「NURA」を開設し,新興国での健診サービス事業を開始した。以降,拠点拡充を進め,現在はインドで4拠点,モンゴル国で2拠点,ベトナムで1拠点を展開している。「NURA」では,同社が持つCT・マンモグラフィなどの医療機器や医師の診断を支援するAI技術を活用して,がん検診をはじめ生活習慣病検査サービスを提供。すべての検査と医師による健診結果のフィードバックが,約120分という短時間で完了する点や,フィードバックの際に,医師から健診結果に関する説明を診断画像を見ながら受けられる点などが,利用者から好評を得ており,すでに77,000人以上の方が利用している。
WHOが発表した「World health statistics 2024」によると,日本の平均寿命は84.5歳で世界第一位である。日本の平均寿命が長い要因は,健康的な食文化や充実した医療制度に加え,定期的に健診を受ける文化にあると考えられている。健診は,がんなどの病気の早期発見が期待できるだけでなく,身体の状態を把握することで病気の予防にもつながる。しかし,新興国では健診サービス施設が少なく,健診を受ける文化が定着していないという課題がある。また,最先端の医療機器を扱うことのできる技師やCT画像を読影できる医師などの医療人材も不足している。
今回,同社は,健診サービス事業におけるパートナー企業「Dr. Kutty’s Healthcare」の創業の地であり,多くの優秀な医療人材を世界に輩出しているインド ケララ州のコジコードに「NURA Global Innovation Center」をオープンする。本拠点は,同社の医療機器や医師の診断を支援するAI技術を活用した健診センターの8番目の拠点として,日本式の高品質な健診サービスを近隣の住民や企業・医療施設関係者などに提供する。また本拠点は,「NURA」で働く医師・技師・看護師などの専門人材を育成するトレーニングセンターとしての機能や,インド国内の各「NURA」で撮影された医用画像の遠隔読影を行う集中読影センターとしての機能も有しており,「NURA」のさらなる展開加速とサービス品質向上に寄与する。また同社は,本拠点において,「NURA」で撮影した画像を活用した診断支援AI技術の開発にも取り組み*1,AI技術の開発を加速する。
同社は,富士フイルムの医療機器や医師の診断を支援するAI技術,健診センター「NURA」の運営を通じて培ってきたノウハウを活用した健診センターを,2030年度までに100拠点まで広げることを目指していく。より多くの方々が高品質な健診サービスを受けられる環境を構築することで,世界の医療の発展と人々の健康の維持増進に貢献していく。
*1 受診者の同意を得て取得した画像データを,個人が特定されないよう匿名化したうえで,診断支援AI技術の開発のための学習データとして活用する。
●問い合わせ先
富士フイルム(株)
メディカルシステム事業部 新規ビジネスチーム
E-mail:dgi-100-mems_newbiz@fujifilm.com