医療AI推進機構（株）（以下「MAPI」）と，（株）エムネス（以下「エムネス」）は，医療データの加工・販売領域において，業務提携したことを発表した。本提携を通し，日本の医療データの利活用促進に寄与し，医療AIが溢れる世界と患者へ最良の医療を提供する未来の実現を目指す。

【背景】

日本には良質な医療データが大量に存在しているが，データの利活用が十分に進んでおらず，海外と比較してAIの研究開発および活用が遅れていると言われている^（1）。要因として，データ提供のノウハウ・リソースの不足，開発のためのデータ加工（アノテーション，品質調整）の困難さなど，データの提供側，取得側共に大きなハードルが存在していることがある。

MAPIは医療AIの専門家を擁し，医療データの匿名加工・管理に強みを持ち，医療データの提供側，取得側の双方をサポートしている。また，エムネスは，医療機関や健診機関向けの遠隔画像診断支援サービスに加え，医用画像（レントゲン，CT，MRI，眼底写真や病理画像など）を中心とするデータの管理・共有や AI を含むソリューション連携のための医療支援クラウドサービス「LOOKREC」を提供している。

【今後の展望】

医療データの管理はもちろんのこと，将来的には，MAPIの医療データに関する知見と，エムネスの技術力を活かし，医療データの効率的な検索AIを共同開発していく。これにより，多様な医療AIの研究開発を支援し，患者へ最良の医療を提供する未来の実現を目指す。

【本提携に関する両社代表のメッセージ】

医療AI推進機構（株）　機構長　島原 佑基 氏
医療とITのプロフェッショナルが集うエムネスと提携させていただくことにより，MAPIのミッションである，多様な医療AIが溢れる世界の創出に向け，弾みがついたと確信しております。サービス開発の部分でも提携し，共に患者へ最良の医療を提供する未来の実現を目指していけたらと思います。

（株）エムネス 代表取締役　阿部 伸一様 氏
エムネスは「身体の状況をありのままに正確にリアルタイムに伝えて世界中の医師や医療従事者が連携して，患者のために理想の医療を提供できるようにすること」というミッションのもと，遠隔画像診断サービスやクラウドによるデータ基盤を提供してきました。MAPIと提携することにより，当社の培ってきた診断やクラウド技術の知見を活かして，医療データの活用支援を加速することで，理想の医療を具現化していきます。

^{（1）ボストンコンサルティンググループ（2018）「企業の人工知能（AI）の導入状況に関する各国調査」}