エルピクセル,オリンパス社と腹腔鏡下胆嚢摘出術向けAIを用いたランドマーク術中教示システムの開発に関する共同事業契約を締結
2024-4-9
エルピクセル(株)(以下,エルピクセル)は,オリンパス(株)(以下,オリンパス)と腹腔鏡下胆嚢摘出術向けAIを用いたランドマーク術中教示システムの事業化に関する共同事業契約を締結した。
【開発の背景】
内視鏡外科手術は,術後の早期回復など患者のQOLの観点から症例数が伸びている。一方で,国内の外科医不足に加え,手術において高度な設備だけでなく医師や医療スタッフの高い技能が必要なことから,術者間や施設間の治療成績格差の解消が課題になっている。日本国内の腹腔鏡下胆嚢摘出手術件数は年間12万件に上る。そのなかで胆囊の近くにある胆管を誤って切るなどにより起きる胆道損傷は重篤な合併症であり,年間約600件の手術で発生している。この胆道損傷の原因の一つが外科医による臓器の誤認によるものである。
【腹腔鏡下胆嚢摘出術向けAIを用いたランドマーク術中教示システムの概要】
腹腔鏡下胆嚢摘出術向けAIランドマークの術中教示システム(1)は,熟練外科医が術中の判断基準として用いる解剖学的ランドマークをAIに深層学習させて教示するシステム。エルピクセルとオリンパスは本術中教示システムを共同開発し,実用化を目指す。
【共同事業契約について】
エルピクセルとオリンパスは2018年に株式引受に関する契約(2)を締結し,密に連携してきた。今回,両社が新たに共同事業契約を締結し,エルピクセルが保有するAI画像解析技術とオリンパスが保有する内視鏡事業における知見を相互に活用することで,胆嚢摘出術における内視鏡手術支援AIの市場展開を目指す。
本共同事業は,国立研究開発法人日本医療研究開発機構の課題番号JP19he2302003 の支援を受けた「外科手術のデジタルトランスフォーメーション:情報支援内視鏡外科手術システムの開発」において,大分大学 医学部・福岡工業大学 情報工学部と共に開発を進めている胆嚢摘出術向け情報支援内視鏡外科手術システムの成果を製品化するための取り組みとなる。上記課題において,エルピクセルはオリンパスからの委託を受け,技術開発の一部を実施している。
エルピクセルは本共同事業を皮切りに,AI画像解析技術を活用し外科手術領域での新たな価値提供を目指す。
(1)医薬品医療機器等法未承認品
(2)オリンパスによるエルピクセルの株式取得について
https://www.olympus.co.jp/news/2018/contents/nr00962/nr00962_00000.pdf
●問い合わせ先
エルピクセル(株) 広報担当
TEL 03-6259-1713
Email:pr@lpixel.net