厚生労働省が「診療用放射線の安全利用のための指針策定に関するガイドライン」を策定
2019-10-9
厚生労働省は2019年10月3日(木),「診療用放射線の安全利用のための指針策定に関するガイドライン」を公表した。2019年に3月11日に「医療法施行規則の一部を改正する省令」が公布され,その後発出された「医療法施行規則の一部を改正する省令の施行等について」(平成31年3月12日付け医政発0312 第7号厚生労働省医政局長通知)では,「X線装置などを有する医療機関の管理者は診療放射線利用の安全管理の責任者を配置し,その責任者は安全利用の指針を策定する必要がある(一部要約)」と示された。今回発表されたガイドラインは,その指針を策定するためのものとなる。
ガイドラインの内容構成は次のとおり。
・1 診療用放射線の安全管理に関する基本的考え方
(1)放射線防護の原則(「正当化」,「防護の最適化」,「線量限度の適用」)及び被ばくの 3区分について
(2)医療被ばくに関する放射線防護の原則について
(3)医療被ばくに関する医学的手法の正当化及び放射線防護の最適化について
・2 放射線診療に従事する者に対する診療用放射線の利用に係る安全な管理のための研修 に関する基本方針
(1)研修対象者
(2)研修項目
(3)研修方法
(4)研修頻度
(5)研修の記録
・3 診療用放射線の安全利用を目的とした改善のための方策に関する基本方針
(1)線量管理及び線量記録の対象となる放射線診療機器等
(2)線量管理
(3)線量記録
・4 放射線の過剰被ばくその他の放射線診療に関する有害事例等の事例発生時の対応に関 する基本方針
(1)医療機関における報告体制
(2)有害事例等と医療被ばくの関連性の検証
(3)改善・再発防止のための方策の実施
・5 医療従事者と放射線診療を受ける者との間の情報の共有に関する基本方針
(1)放射線診療を受ける者に対する説明の対応者
(2)放射線診療を受ける者に対する診療実施前の説明方針
(3)放射線診療を受ける者から診療実施後に説明を求められた場合などの対応方針
・6 その他留意事項等について
(1)指針の閲覧
(2)指針の見直し
(3)用語の補足
なお,ガイドラインは,公益社団法人日本放射線技術学会のホームページ(https://www.jsrt.or.jp/data/bougo/#a2 )などからダウンロードできる。