キヤノンメディカルシステムズ（株）は，医療情報システムや生体情報収集機器に強みを持つフィジコン社（Fysicon B.V.／本社：オランダ）の株式を取得する契約を締結し，必要な承認手続きを経て買収を完了した。

フィジコン社は，病院内ITシステムやワークフローに関して独自の高い技術と知見を有しており，これをバックボーンとした心血管モニタリング装置等の製品群を開発･製造し，グローバルに販売しているメーカー。中でも，心臓波形を読み取り，心機能解析を行う機器は，コンパクトな外観と直観的な操作性を実現した先進性のある製品として高い評価を受けている。

近年，不整脈や心筋梗塞などに代表される心臓疾患の有病率は，高齢化に伴い増加傾向にあり，患者の負担を軽減する低侵襲治療の重要性が高まっている。低侵襲治療の医療現場では，同社のX線アンギオグラフィシステムをはじめ，多くの検査機器が使用され，治療を支援している。

フィジコン社のLinda Elberse CEOは，“キヤノンメディカルと当社が一体となることで，新たな循環器のトータルソリューションを提供できます。お互いの経験とノウハウは，必ずや医療現場の課題解決に貢献できると信じています。”と，語っている。キヤノンメディカルの瀧口社長は，“フィジコン社の高い技術力と当社のシステムを組み合わせることで患者さんや医療従事者の皆さんに新たな価値を提供できることを喜ばしく思います。”と語っている。

今後は，まずは海外市場を中心に，フィジコン社の製品と同社のX線アンギオグラフィシステムとの連携を図り，一体化したソリューションを提供することで，心臓疾患の治療現場のさらなるワークフローの改善に取り組む。さらに，両社のヘルスケアIT技術を融合することにより，術前・術中・術後のフォローアップを含めたトータルケアの実現を目指す。

【フィジコン社について】
社名（web）：Fysicon B.V. （https://www.fysicon.com/ ）
事業内容：
患者生体情報を取得し，心機能解析を行う検査機器や，クラウドベースの医療情報を管理するアプリケーションなどの開発・製造・販売3
設立年：1996年
本社所在地：オランダ 北ブラバント州オス
従業員数：約40名