中医協が2016年度診療報酬改定を答申

2016-2-10


地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化,連携

中央社会保険医療協議会(中医協)は2016年2月10日(水),塩崎恭久厚生労働大臣に対して,2016年度の診療報酬改定の答申を行った。
2016年度の診療報酬改定は,全体では前回の-0.84%。本体は0.49%の引き上げとなり,薬価は-1.33%となる。改定は前回同様,2025年を見据えたものとなっており,地域包括ケアシステムの推進とともに,医療機能の分化・強化,連携を図る内容となった。7対1入院基本料が見直されるなど,急性期病床の絞り込みにより,療養病床への転換が進むことが予想される。また,在宅医療や訪問看護に対する評価も大きく変更され,質の高いケアの提供を促進する。

自宅での遠隔読影にも画像診断管理加算

画像診断については,勤務環境の改善,業務効率化による医療従事者の負担軽減,人材確保の観点から改定が行われる。「画像診断管理加算1,加算2及び遠隔画像診断を行った場合の画像診断管理加算」における施設基準として,「夜間又は休日に撮影された画像について,自宅等当該保険医療機関以外の場所で,画像の読影及び送受信を行うにつき十分な装置・機器を用いた上で,読影した場合も対象となる」ことになった。
また,効果的・効率的で質の高い医療を提供するためのICT活用も評価される。「検査・画像情報提供加算」を新設。「退院する患者について,当該患者の退院日の属する月又はその翌月に,必要な情報を提供した場合」は200点,「入院中の患者以外の患者について,必要な情報を提供した場合」は30点が加算される。

ハイエンドクラスのCT・MRIに共同利用加算

医療技術に対する評価も,機能分化・強化,連携を推進する改定となった。「コンピューター断層撮影」において,64列以上のマルチスライスCTが共同利用される場合に1020点の加算が新設された(それ以外は従来同様1000点)。MRIも同様に共同利用される場合は1620点(それ以外は従来同様1600点)となる。さらに,MRIは乳房MRI加算として100点が算定できることとなった。
一方,16列未満のマルチスライスCTでは,4列以上16列未満が750点(-20点),それ以外が560点(-20点)へと減点された。MRIも1.5T未満の装置は,920点から900点へと変更される。
PETについては,共同利用率が見直され,「100分の20以上」から「100分の30以上」と変更された。

重粒子線・陽子線治療に15万点

放射線治療は,粒子線治療が新設された。重粒子線・陽子線治療ともに15万点が加算される。また,「特定保険医療材料料」が新設されたほか,小児に対する放射線治療についても見直された。

実物大臓器立体モデルの手術支援加算の拡大

このほか,CT画像から3Dプリンタで作成した実物大臓器立体モデルによる手術支援についても適用が拡大した。
これからの改定内容は3月に告示され,4月から適用される。

 画像診断(PDF)
 放射線治療(PDF)
 個別の改定項目について(PDF)

 

中央社会保険医療協議会 総会(第322回) 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000108957.html


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