ボストン・サイエンティフィック ジャパン,「POLARx™ 冷凍アブレーションカテーテル」が持続性心房細動に対する治療用カテーテルとして適応拡大の薬事承認を取得
発作性心房細動に加え,持続性心房細動に対応,より多くの患者に治療選択肢を提供
2024-7-4
ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)は,冷凍焼灼術(冷凍アブレーション)に使用する「POLARx™ 冷凍アブレーションカテーテル」の適応として,薬剤抵抗性を有する再発性症候性の発作性心房細動に加え,薬剤抵抗性を有する症候性の持続性心房細動が薬事承認されたことを発表した。
心房細動は,不整脈の一種であり,断続的に発生したり停止したりすることがあり,持続時間や自然停止の有無などによって,発作性,持続性,長期持続性の3種類に分けられる。心房細動が発生後7日以内に治まる発作性と比べ,発生後7日を超えて心房細動が続く持続性では,治療後の再発リスクも高まる。
冷凍アブレーション治療は,特定の心筋部分を焼灼する高周波アブレーション治療と比べて手技時間が短いという特徴がある(*1)。冷凍アブレーションは,バルーンを用いて肺静脈の入口部を閉塞し,マイナス40℃からマイナス60℃程度に冷却して,肺静脈と左心房の間に流れる異常な電気信号を遮断する。この冷却により,肺静脈周囲の組織とバルーンが固着することでカテーテルの保持が安定し,術者の負担も軽減される可能性がある。
POLARx 冷凍アブレーションカテーテルはPOLARxとPOLARx FITの2つのモデルがある。このカテーテルは冷凍アブレーション中にバルーン内圧を一定に保つように設計されており,インフレーションからアブレーションするまでバルーンのサイズが変わらない。この安定性により,凍結プロセス中のバルーンの位置ずれが生じにくくなる。また,POLARx FITでは,初期拡張時のバルーン径は28mmであり,臨床的判断に基づいて,バルーン径を31mmまで拡張することができ,多様な肺静脈に対するアプローチの選択肢を提供する。
榊原記念病院 副院長 循環器内科 主任部長 新田 順一氏は,次のように述べている。「近年,心房細動アブレーションにおいて,持続性心房細動の患者さんの割合が増加傾向にあります。持続性心房細動の患者さんに対しても利用できるようになったことで,さらに多くの患者さんが効果的な治療を受けられるようになります。バルーンサイズが可変するPOLARx FIT 冷凍アブレーションカテーテルで,よりよい治療が提供できることで,患者さんのQOL向上に貢献できるのではないかと期待しています。」
ボストン・サイエンティフィック ジャパンでは,これまで心房細動の治療に用いる革新的な製品ラインナップを提供してきた。同社のPOLARx FITは,世界で先駆けて日本で初めて発売され,今回,POLARx とPOLARx FITの両モデルが,日本市場で初めて適応拡大を実現した。今回の適応拡大により,さらに多くの心房細動患者に,より良い治療の選択肢を提供し,日本の医療に貢献していく。
*1:Cryoballoon or Radiofrequency Ablation for Paroxysmal Atrial Fibrillation (NEJM):https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1602014
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