メドピア,2024年4月医師の働き方改革を見越し医師の声から生まれた,臨床現場の課題解決ツール「AI論文検索」提供開始
利⽤した医師からは負担軽減,診療時間の増加への期待の声も

2023-12-13

AI


メドピア(株)(以下メドピア)は,生成AIを用いた論文検索・要約サービス「AI論文検索」の提供を開始した。
「AI論文検索」は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(medpeer.jp )」に登録している医師会員が利用することができ,主に臨床課題に対する論文検索や回答作成の手間や時間を減らすことができる。

AI論文検索

 

■開発背景

日本の医療提供体制は,OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも,人口1,000人当たりの病床数や医療機器数,さらに国民皆保険制度があるため1人当たりの病院受診回数などが多く,手厚いサービス体制が構築されている。しかしながら,人口1,000人当たりの医師数は6番目に低く,常勤勤務医の約4割は時間外労働が960時間を超えている状況であり,世界トップレベルの医療提供体制を医師の長時間勤務で維持していることが推測できる。※1
そうした状況の中,2024年4月より医師の働き方改革がスタートし,時間外労働の上限規制が実施される。この制度により,医師の臨床にかける時間の削減が迫られており,“医療の質”の確保に対して懸念の声が上がっている。実際に「MedPeer」会員に調査を実施したところ,「医師の働き方改革による医療の質の低下に懸念がある」と一定数(約3割)の医師が回答し※2,医師の働き方改革実施と共に業務効率化,タスクシフトなど医師の業務負担軽減が求められている。
メドピアでは,医師の働き方改革スタートやそれに伴う業務効率化のニーズの高まりを受け,医師の臨床業務を効率化することで,結果として患者様個別に最適な医療を届けるための新たなサービスを検討してきた。
そこで,「MedPeer」の医師会員への調査をしたところ,医師の約4割が月に4本以上,1割超が月に11本以上論文を読んでいることがわかった。※3
さらに論文検索に関しては,既存の検索サービスの検索精度の低さから,キーワードを何度も変更・検索を行う場合も多く,臨床課題の解決に必要な情報を見つけるためにかなりの手間がかかっている※4といった点も課題となっていることが医師への調査からわかっている。加えて,ChatGPTなど生成AIに関して医学情報の検索利用についてポジティブな意見が多数※5となっていることから,生成AIを活用した論文検索ツール「AI論文検索」の提供を開始いたしました。

※1 OECD Health Statistics 2021.
  厚生労働省「医師の勤務実態調査」(2019年)
※2 メドピア×リクルートメディカルキャリア共同調査
※3 MedPeer会員医師への調査「論文は月間何本読むか」(n=2,500)
※4 MedPeer会員医師へのインタビュー「論文検索1回あたりにかかる時間は?」の結果
※5 MedPeer会員医師への調査「生成AIを業務で利用したいですか」(n=2,500)

■医師からも「業務効率化」「負担軽減」への期待の声

10月から「AI論文検索」α版を提供開始,医師3名が実際に先行して利用した。その結果,平均約20%閲覧時間が削減されたと効果を実感しており,医師の働き方改革が推進される中で,臨床にかける時間,医療の質の確保に寄与することが期待できる。

<利用者(医師)の声>
・研究論文をすぐに確認でき,思いついた臨床の疑問について情報収集を効率化することができ,診療に従事できる時間を増やすなど,業務の効率化や医師の負担軽減に貢献できると感じました。
・英語が苦手であるため,PubMed検索から目的の論文を探すのに時間がかかり,それが憂鬱になることがあります。「AI論文検索」を使ってみて,日本語主体で検索できるため,時間を有効に使える印象がありました。そのため,合間時間での検索に「AI論文検索」は比較的有効に使用できるのではないかと思いました。今後は,PubMedに匹敵するもしくは超越する制度での「AI論文検索」が実現することを期待します。
・従来より手軽さが向上した結果エビデンスを確認する敷居が下がるため医療の質向上に貢献できるのでは。
・(検索や解釈,要約など)何段階もの段階を省いてくれているという意味で物凄く本当に現場の即戦力と言える。
・英語版を日本語版に使えるようにというサービスはあったが,本当に現場のニーズに合う形で作ってくださったのは現場の目線,現場の臨床感覚を持ってないとできないものだと思っている。

■5分以内でエビデンス確認ができることを目指す「AI論文検索」とは

「AI論文検索」は,臨床課題を解決するためエビデンス(論文)の検索にかかる時間と手間を削減するサービス。
これまでの論文検索では英語での検索が一般的なため,日本語から英語への翻訳という手間が発生することや,複数の論文のタイトルや抄録を確認し臨床課題への回答作成の必要があることで,多くの手間がかかっていた。
こうした課題に対し「AI論文検索」では,臨床課題を日本語で検索でき,検索文に関連する論文をPubMedからAIが抽出する。さらに論文の抄録から臨床課題への回答をAIが作成することで,エビデンスの確認に必要な時間を減らすことが可能となった。
今後は,キーワード検索での対応等,より臨床で利用しやすいようサービスのアップデートを進めていき,将来的には検索から5分以内で必要な情報が得られる世界を目指す。

【特徴】

・日本語検索対応
・PubMedから関連度や臨床上重要度が高い論文を表示
・臨床課題への回答自動作成

MedPeer Style 開発者インタビュー配信中:https://youtu.be/yXUnL7h_Lew

■医師専用コミュニティサイト「MedPeer(medpeer.jp)」について
「MedPeer」は,薬剤の口コミや症例相談など,多様なテーマで医師同士が経験やナレッジを共有する医師専用のコミュニティサイトで,現時点の会員数は16万人と国内の約半数の医師が利用している。
また,製薬企業のWeb上での講演会をサポートする「Web講演会」機能の提供などを通じ,医薬品のデジタルマーケティング活動をサポートしている。
さらに,最近では「MedPeer」上の臨床医の治療における意思決定を蓄積した“集合知”である「インサイトデータ」の活用など,医療ビッグデータの一つである「リアルワールドデータ」に関しても取り組みを強化している。

 

●問い合わせ先
メドピア(株)
https://medpeer.co.jp/

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