富士通Japan,消防や救急の現場活動を支援するスマートフォンを活用した情報統合共有システムを提供開始
2023-8-21
富士通Japan(株)(注1)(以下,富士通Japan)は,全国の消防本部向けに,消防や救急の現場活動を支援する,スマートフォンを活用した「Fujitsu 情報統合共有システム Multi Mobile System for Fire department(マルチモバイルシステムフォーファイアデパートメント) 」を開発し,2023年8月21日より提供を開始する。
本システムは,119番通報に基づき通報内容や災害情報を管理する消防指令システムと連携して,消防士や救急救命士が専用スマートフォンで,指令内容や搬送先の医療機関への経路情報などを車両内や災害現場で閲覧できる。また,消防指令センターと各消防隊が活動状況などをチャットでリアルタイムに情報共有するためのタイムライン機能や,現場活動後の救急報告書作成に向けた傷病者の情報登録機能など,初動対応から報告までスムーズに支援できる。
今後,富士通Japanは本システムの提供を通じて,消防や救急の現場活動を支援し,住民が豊かに安心して暮らせるレジリエントなまちづくりに貢献する。
背景
消防士や救急救命士は,現場活動において,車両に設置したAVM(Automatic Vehicle Monitoring)と呼ばれる車載器で通報内容や指令内容などを確認していたが,固定式のため車両から持ち運べないこと,さらに設置費用が高額なため全車両への設置が難しいなどの課題があった。
同社は,これらの課題解決に向けて,30年以上にわたる消防指令システムの構築ノウハウをもとに,災害現場で活動する消防士や救急救命士向けにスマートフォンを活用した情報統合共有システムを開発した。
「Fujitsu 情報統合共有システム Multi Mobile System for Fire department」の特長
1. 直感的な操作性により,消防士や救急救命士の初動から報告までスムーズな現場活動を支援
本システムでは,サイレンが響く車両内での無線の聞き漏らしや重要情報の通知の見逃しを防止するバイブレーションなどのプッシュ通知機能,および車両からの降車後も各隊の活動状況をチャットでリアルタイムに情報共有できるタイムライン機能など直感的に操作できる機能を搭載している。また,現場活動後の救急報告書作成に向けた,傷病者のバイタルや処置内容などの情報登録機能など,消防士や救急救命士の初動対応から報告まで現場活動を幅広く支援する。
2. 既設のAVMと併用可能なため,柔軟な車両運用を支援
本システムは,固定式のAVMと同様に車両の位置情報,および現場到着や活動開始などの動態情報を消防指令システムに通知する機能を備えているためAVMとしても使用可能。また,利用予定の消火栓の予約状況を他の消防車と共有するための水利予約(注2)や,搬送先の医療機関の選定を支援する名称検索,および内科や小児科などの診療科の絞り込み検索機能も備えている。これらの機能により,大規模災害が発生した緊急時には,一般的にAVMが設置されない広報車や搬送車などで本システムをAVMとして利用できるなど,柔軟な車両運用が可能である。
販売目標
2025年度末までに30消防本部への導入を目指す。(同社の決算期は3月末日。)
注1 富士通Japan(株) :
本社 東京都港区,代表取締役社長 長堀 泉
注2 水利予約 :
消火活動では,一つの消火栓を1台の車両が使用するため,どの消防車がどの消火栓を使うかをあらかじめ共有するため消火栓を予約すること。
●問い合わせ先
富士通Japan お客様総合センター
TEL 0120-835-554
受付時間:9時~12時,13時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日ほか同社指定の休業日を除く)