新型「服薬支援ロボ」

日立チャネルソリューションズ（株）（以下，日立チャネルソリューションズ）は，現在約6,000台が稼働する服薬支援装置「服薬支援ロボ」を，多くの利用者の声を活かし新たに開発し，操作性と利便性向上などより使いやすく進化させた。患者の正しい服薬と薬剤師による服薬管理のサポートをさらに強化する新型「服薬支援ロボ」を5月15日から販売開始する。本製品は，Wi-Fi機能の搭載が可能で，今後提供を計画しているリモート服薬支援サービスなどネットワークを活用したサービスの利用につながる。

「服薬支援ロボ」利用，運用方法

「服薬支援ロボ」は，高齢者や服薬に介助が必要な方のために，設定した時間に音声案内と画面表示で服薬をアナウンスし，装置内にセットされた薬を取り出すことで，薬の飲み忘れや飲み間違い，飲み過ぎの予防に利用されている。正しい服薬を支援するとともに，服薬介助や配薬を効率化でき，家族や施設職員の負担軽減につながっている。
「服薬支援ロボ」は，訪問薬剤^（*1）を受けている方の個人宅や介護施設に設置される。調剤薬局から本装置を利用者に貸し出されるケースが多く，薬剤師が月1～4回程度，あらかじめ薬を補充したカセットを持ち込み，空のカセットと交換する運用が行われる。

^{*1 訪問薬剤とは薬剤師が訪問し服薬の管理および指導を行うこと。
　 介護保険の場合は居宅療養管理指導，医療保険の場合は在宅患者訪問薬剤管理指導をさす。}

新型「服薬支援ロボ」の概要

新型「服薬支援ロボ」は，柔軟なスケジュール管理や薬の一括補充を実現し，利用者の利便性を向上するとともに，これまで以上に装置が取り扱いやすくなった。具体的には，服薬スケジュールは服薬時間ごとの設定を可能にし，外出など利用者の個別の予定にきめ細やかに対応できる。薬の補充に際しては，一度に4カセットを一括で交換できるため作業を効率化する。加えて，Wi-Fi機能の搭載が可能になった。今後はネットワークを利用した，リモートでの服薬支援などのサービス提供を検討している。引き続き，利用者の声に応え，使いやすさの向上を図り，服薬アドヒアランス^（*2）をサポートしていく。

^{*2 患者が処方どおりに服薬するため，薬剤師と患者が共同して治療に当たること。}

新型「服薬支援ロボ」の特長

1. 正しい服薬をサポート
・飲み忘れを防止：設定した時間に服薬を音声案内と画面表示でアナウンスする。
・飲み間違いを防止：あらかじめ薬をセットしておくので，指定の薬以外は取り出すことがでない。
・飲み過ぎを防止：指定の時間以外は薬を取り出すことができない。

2. 利用者の生活に応じたきめ細かい服薬スケジュール設定
服薬時間ごとでのスケジュール設定を実現し，外出など利用者の個別予定にも対応できる。

3. カセット一括交換により薬の補充を効率化
4カセットの一括交換が可能で，管理者による薬の補充を効率化する。

4. 使いやすさ向上
・操作画面と取り出しボタンを大きくし，高齢者などにも見やすくなった。
・無音の設定も可能になり，様々な環境で利用しやすくなった。

5. Wi-Fi機能（オプション）
リモートでの患者の服薬支援などのサービスなどネットワークを利用したサービスにつながる。
在宅ケアに必要な患者の服薬情報を地域包括ケアシステムに連携して，介護事業者，医療機関，家族などの関係者と共有するなどネットワークを利用したサービスにもつなげることを検討している。

「服薬支援ロボ」に関するWebサイト
https://service.hitachi-ch.co.jp/medical/medication

他社商標注記
・服薬支援ロボはケアボット（株）の登録商標。