島津製作所は，7月21日に新型コロナウイルスのオミクロン株「BA.5」が持つF486V変異をリアルタイムPCR法で検出する「F486Vプライマー/プローブセット」（研究用試薬）を特注品として発売する。

高い感染力を持つ「BA.5」は，「BA.1」や「BA.2」では見られない，L452RとF486Vの変異を有している。L452R変異は，デルタ株に特徴的に見られた変異。既に発売済みの「新型コロナウイルス変異検出コアキット」（研究用試薬）と「L452Rプライマー/プローブセット」（研究用試薬），今回発売する「F486Vプライマー/プローブセット」を組み合せて使用することで，「BA.5」の推定が可能となる。同社の新型コロナウイルスを検出するPCR試薬キットは，煩雑な核酸（RNA）の抽出・精製工程が不要なことが特長であり，手作業が少なく，人為的なミスの防止・作業者の感染リスク軽減につながる。

なお，島津製作所は，SARSコロナウイルス核酸キット「AmpdirectTM 2019-nCoV検出キット」（体外診断用医薬品）について，本年7月は前月比で10倍の生産数を予定しており，8月以降も国内外の感染状況を鑑みて増産準備を進めている。

^{注意：変異株を検出する「プライマー/プローブセット」はいずれも研究用試薬。医薬品医療機器法に基づく体外診断用医薬品あるいは医療機器として承認・認証等を受けていない。治療診断目的およびその手続き上での使用はできない。本研究用試薬の使用には，リアルタイムPCR装置や分注ピペット，恒温槽，小型遠心機を始めとする機材や，試料・遺伝子の取り扱い技術を要するため，小売店や個人への販売はしない。なお，「プライマー/プローブセット」および「新型コロナウイルス変異検出コアキット」は，「遺伝子解析装置 AutoAmp」には対応していない。}