SOMPOホールディングスとSOMPOケア,ICTを活用した新しいケアラー支援モデル 「ケアエール」アプリをリリース
〜シニアの“Well-being”実現を目指して〜
2022-4-20
SOMPOホールディングス(株)(以下「SOMPOホールディングス」)とSOMPOケア(株)(以下「SOMPOケア」)は,ケアラー※1を支援する新しい在宅介護モデルについて,福島県会津若松市などの地域と連携しながら,昨年4月から研究・実証を進めてきた。今回,研究・実証で蓄積した成果を踏まえ,ICT(情報通信技術)を活用してケアラーを支援する「ケアエール」アプリを2022年4月からリリースする。
1.背景・目的
急激な人口減少と高齢化が進展する日本において,多様な就労・社会参加や技術革新により,生産年齢人口の減少を補完する取組みが官民を挙げて進められている。政府が目指す新たな社会Society5.0(超スマート社会)※2においても,住民が取り残されない仕組みや誰もが安心できる社会保障制度の構築が重要となっている。
SOMPOホールディングスとSOMPOケアでは,「安心・安全・健康」に資するソリューションの一環として,「健康寿命の延伸」を目的にシニアの“Well-being”※3を実現する新しいサービスの開発や提供を目指している。今回の研究や実証のフィールドとして,ICTや環境技術などを活用したスマートシティの取組みを進めている会津若松市※4の協力を受け,昨年から開発・実証を進めてきた。
シニア世代の困り事の一つである家族・親族などの身近な人の介護に注目し,在宅で介護をするケアラーの負担軽減と要介護者に対するケアの品質を高めることを目的に,地域での医療・介護連携が深まる新しい在宅介護モデル構築を目指して,さまざまな可能性を調査・研究している。
その一環として,ケアラー向けの支援アプリの開発に着手し,調査・インタビューを繰り返しながらアプリの機能・デザインの改良を重ねて,全国のケアラーの方々に新しい価値を提供するべくアプリをリリースした。
2.「ケアエール」アプリの概要
ケアラーや医療介護従事者へのインタビューの結果から,ケアラーの悩みの根底にある,家族・親族・ケアマネジャーなどの介護生活に関わる方々とのコミュニケーション方法に着目した。その悩みを解決する手段として,ケアラーや要介護者が,日々の出来事や心情を気軽に共有でき,家族・親族・ケアマネジャー・医師など周囲の人たちも自然と関与しやすくなることで,ケアラーの心に余裕が生まれ,要介護者や周りの方々との絆を深めることができるコミュニケーションツールをコンセプトにした。実証で利用している方々からも,今まで電話ではうまく伝わらなかった日々の様子が「ケアエール」アプリで分かりやすくなり,周囲に気軽に相談できるとの声を得ている。アプリの利用は無料で,誰でもダウンロード可能。
また,会津若松市内の地域包括支援センターの協力を得ながら,センターの包括ケア業務ツールとして,「ケアエール」の利便性や新たな活用方法についても検証を始めている。自立した生活を送られている高齢者が遠方の家族と日々の出来事や心情を共有されるケースや,地域包括支援センターの職員やケアマネジャーが独居の高齢者を見守るためのツールとして活用する事例も出ている。
こうした活用事例も参考としつつ,「一般社団法人スーパーシティAiCTコンソーシアム」※5と共に会津若松市での都市OS連携※5を前提に,地域の住民に対する防災・ヘルスケア等のさまざまなサービスと連携することで,スマートシティにおける地域包括ケアのツールとして発展させることを目指していく。
3.今後について
SOMPOホールディングスとSOMPOケアは,地域包括ケアシステム※6を充実,発展させたい行政・自治体とともに,「ケアエール」を活用した取組みを進めていきます。シニアの”Well-being”に資する取組みを通じて,さまざまな社会的課題を解決するソリューションを提供し,デジタルを活用しながら,人々が自分らしく豊かに生きることができるスマートコミュニティの実現に取り組んでいく。
●主な機能・特長
※1 ケアラーとは,介護や看病,療育が必要な家族・親族を無償でサポートする方を指す。
※2 Society 5.0とは,「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより,経済発展と社会的課題の解決を両立する,人間中心の社会(Society)」(内閣府)と定義されている。
※3 “Well-being”とは,身体的・精神的・社会的にも満たされた状態(WHO定義)を指す。
※4 会津若松市では,ICT(情報通信技術)や環境技術などを,健康や福祉,教育,防災,エネルギー,交通,環境といった生活を取り巻く様々な分野で活用し,将来に向けて持続力と回復力のある力強い地域社会と,安心して快適に暮らすことのできるまちづくりを目指し,スマートシティ化の取組みを進めている。
※5 「スーパーシティAiCTコンソーシアム」は,オプトインによるデータ活用とパーソナライズによる市民中心のスーパーシティ実現に向け2021年に設立されたコンソーシアム。2011年にアクセンチュア・会津若松市・会津大学の産学官連携で始まった東日本大震災からの復興に向けた取組みが,先進的なスマートシティのモデルへと発展した。本コンソーシアムでは,10年以上をかけて培ってきた知見,プラットフォーム,ネットワークをもとに,会津における地域DX(デジタル変革)を目指すとともに,日本のあるべきスマートシティのモデルとして全国に発信している。SOMPOホールディングスやアクセンチュアといった企業のほか,市内の地元企業,団体など,約70の会員企業・団体が,組織の枠を超えたコラボレーションを実践している。会津若松市では2015年に,アクセンチュアの支援のもと,スマートシティのデジタル基盤となる「都市OS」を導入した。この基盤を中心に,介護・介護予防,ヘルスケア,エネルギー,観光,防災,決済領域など,幅広い分野のスマートシティサービスが,志を共にする企業によって開発,運用されている。SOMPOホールディングスは,ヘルスケア分科会デジタル介護・介護予防のリーダー企業を担っている。
※6 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に,重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう,住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステム(厚生労働省)。
<「ケアエール」公式ページ>
https://careyell.com/
※リンク先の公式ページもしくはAppStoreまたは GooglePlayからインストール可能。
●問い合わせ先
SOMPOホールディングス(株)
https://www.sompo-hd.com/