島津製作所,回診用X線撮影装置に搭載可能なソフトウェアを発売
外科手術での異物遺残を防ぐため,AI技術を用いた確認支援技術を開発

2022-4-7

X線装置

AI

島津製作所


島津製作所は,AI技術を用いた「遺残確認支援ソフトウェアSmart DSI*1(スマート ディーエスアイ)」を開発した。同社のX線画像診断装置のワークステーション用プログラムとして,4月7日から国内で発売する。

外科手術の前後には,執刀医,麻酔医,看護師など手術室に入る医療担当者によって,ガーゼ,縫合針,鉗子などのカウントが行われている他,手術直後には患者を回診用X線撮影装置で撮影して,体内の異物遺残の有無をX線画像で確認されている。

医療施設では,こうした異物遺残の防止対策が確実に行われているものの,依然,外科手術後の体内でのガーゼ残存等が発生しており,患者の身体的リスクだけでなく,医療施設の社会的信頼性に影響を及ぼしている。さらに対応に必要な医療費が日本では年間35億円*2との調査報告があり,医療施設の経営面でも重要な課題となっている。

また手術後のX線画像による確認作業については,画像上で体内の異物が骨と重なっていた事例など,さまざまな原因で遺残物を見逃してしまう課題があった。

同社は,これらの課題解決を目指し,物体検出に優れているAIの深層学習を用いた遺残物確認支援技術を開発した。患者の安全・安心に役立つとともに,多忙な医療従事者の皆様の負担低減を支援する。

*1:Detection Support with Image processing
*2:名古屋大学大学院医学系研究科「医療の質・患者安全学講座」の調査結果

【新ソフトウェアについて】

見てわかりやすい,遺残物の可能性を強調表示する「遺残確認支援ソフトウェアSmart DSI」
手術後に患者をX線撮影した後,ガーゼや縫合針,鉗子などが体内に残っている場合には,遺残物の可能性がある領域を抽出し,色付表示にすることで遺残物の確認を支援する。

見てわかりやすい,遺残物の可能性を強調表示する「遺残確認支援ソフトウェアSmart DSI」

 

回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX8 Version cタイプ」に,「遺残確認支援ソフトウェアSmart DSI」を搭載した場合は,X線撮影後本体モニタに表示される処理画像をその場で確認できる。

MobileDaRt Evolution MX8 Version cタイプ

 

※Smart DSIに採用しているAI(人工知能)技術は,自ら学習を繰り返すタイプのAIではない。

遺残確認支援ソフトウェアSmart DSIはX線画像診断装置ワークステーションプログラム AI-Stationの機能。

販売名:X線画像診断装置ワークステーション用プログラム AI-Station
価格:250万円(税別)
製造販売認証番号:303ABBZX00063000
一般的名称:X線画像診断装置ワークステーション用プログラム
本ソフトウェアを搭載可能なIT機器例:MobileDaRt Evolution MX8 Version cタイプ

販売名:回診用X線撮影装置 MobileDaRt Evolution
価格:1億2500万円〜(税別,システム構成により異なる)
製造販売認証番号:220ABBZX00229000
一般的名称
移動型デジタル式汎用X線診断装置
移動型アナログ式汎用X線診断装置※
X線平面検出器出力読取式デジタルラジオグラフ※

※本医療機器は複数の一般的名称に該当する。

 

●問い合わせ先
(株)島津製作所
https://www.med.shimadzu.co.jp/

X線装置

AI

島津製作所


TOP