島津製作所,オミクロン変異株の効率的な検出に貢献「E484Aプライマー/プローブセット」を開発
2021-12-15
島津製作所は,新型コロナウイルス変異株が保有するE484A変異をPCR検査で検体から検出できる「E484Aプライマー/プローブセット」(研究用試薬)の開発に成功した。新型コロナウイルスの検出で利用されている「新型コロナウイルス検出試薬キット」(研究用試薬,昨年4月発売)をベースに開発した「新型コロナウイルス変異検出コアキット」(研究用試薬,今年5月発売)と組み合わせ,唾液や鼻咽頭拭い液からリアルタイムPCR装置を使用して検出ができる。同社は12月下旬より一部の研究機関から「E484Aプライマー/プローブセット」の受注を開始する。
E484A変異は新たな変異株,オミクロン株の一部でみられ,ワクチンの効果に影響する可能性があることが指摘されている。また,オミクロン株は,アルファ株で見られたN501Y変異を有し,デルタ株で見られたL452R変異を持たないことが知られている。同社では,既に「N501Yプライマー/プローブセット」(今年5月)と「L452Rプライマー/プローブセット」(今年7月)を発売している。これらの製品と併用することで,効率的なオミクロン株の検出に貢献する。
同社のPCR検査の試薬キットは,従来必要とされる煩雑な核酸(RNA)の抽出・精製工程が省けるため,検査に要する人手を削減でき,かつ2時間以上かかっていた検査の全工程を半分となる約1時間に短縮できる。また,手作業が少なくなるため,人為的なミスの防止にもつながる。検査業務に携わる人の作業負荷の軽減に寄与する。
注意:「新型コロナウイルス変異検出コアキット」および各種「プライマー/プローブセット」は研究用試薬。医薬品医療機器法に基づく体外診断用医薬品あるいは医療機器として承認・認証等を受けていない。治療診断目的およびその手続き上での使用はできない。本製品の使用には,リアルタイムPCR装置や分注ピペット,恒温槽,小型遠心機を始めとする機材や,試料・遺伝子の取り扱い技術を要するため,ドラッグストアなどの小売店や個人への販売はしない。なお,「遺伝子解析装置 AutoAmp」には対応していない。
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