島津製作所,AI(深層学習)で進化する細胞画像の管理・解析ソフト「細胞観察サポートWebアプリケーションCell Pocket Ver2.00」を発売

2021-11-25

ソフトウエア

AI

島津製作所


島津製作所は,11月25日に「細胞観察サポートWebアプリケーションCell Pocket Ver2.00」(以下,「Cell Pocket Ver2.00」)を発売した。実験データである細胞画像の共有を実現し,AIが細胞の数量・面積などを高速・高精度で算出する,細胞培養ラボ向けデータ管理・解析ソフトウェア。ラボやオフィスのパソコンに点在していた画像データを培養条件などと紐づけて保管でき,同社独自のAIによる画像解析機能が培養状態の観察業務を支援する。昨年発売した「細胞観察サポートWebアプリケーションCell Pocket」に「解析レシピ14種の標準装備」や「プログラミング知識不要の解析処理の設定値変更」といった様々な機能面の改良を加えた。

細胞培養ラボでは培養状態を作業者が目視で判定したり,「観察対象の細胞数の計測」や「コロニー(細胞の集合体)の面積割合」を目算したりといった煩雑な業務が欠かせない。既存の解析ソフトウェアでは,解析条件の設定が複雑で,専門知識や経験が求められる。近年は解析ソフトにAIが搭載されているものの,「大量の教師データ収集の難しさ」「深層学習の解析結果への信頼性」が課題であった。島津製作所が開発した「Cell Pocket Ver2.00」は,同社の独自技術(特許出願中)によって,AIがわずか数十枚の画像を学習しただけで高速・高精度の画像解析が可能。「細胞の個数」「コロニーの形状情報」「細胞異常の存在比率」といった培養現場に即した様々な定量情報の算出を実現した。また,AIが学習した後の解析精度を検証する機能も搭載しており,深層学習技術に対する信頼性もユーザー自身が確認できる。

「Cell Pocket Ver2.00」は,幹細胞・再生医療の研究および再生医療等製品・細胞培養用消耗品の開発に従事する研究機関・大学・企業などの研究開発の業務効率の向上だけでなく,ラボ全体のデータ集約によって研究部門の円滑なコミュニケーションを実現する。本製品は公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 川真田伸氏が監修した。島津製作所は今後も細胞培養ソリューションの研究開発におけるオープンイノベーションを推進していく。

「細胞観察サポートWebアプリケーションCell Pocket Ver2.00」の画面イメージ

「細胞観察サポートWebアプリケーションCell Pocket Ver2.00」の画面イメージ

 

●新製品の特長

1. 搭載AIが細胞画像を多角的に解析
独自開発のAIがユーザーの細胞画像データを学習する。学習後は条件設定なしで熟練者並みの解析が可能。「画像連結」「細胞数計測」「欠陥検出」といった高頻度で使用する画像処理・解析処理が14種類プログラムされており,これらを組み合わせて独自の解析レシピを作ることもできる。

2. 画像データの簡単な管理・共有
ラボやオフィスに点在する細胞画像データを集約し,最大登録20人で共有・管理できる。細胞種や培地といった条件ごとに一覧表示でき,アップロードした画像の管理が簡単になる。「テンプレート入力」機能を使えば,登録メンバーで入力項目を統一できる。

3. 細胞培養に特化したユーザーインターフェース
細胞培養専用システムとして開発されており,データ画像と培養条件が簡単な紐づけなど細部にこだわった画面レイアウトに仕上がっている。同じ条件のデータ同士の比較や過去データの検索も容易。

解析例「異常細胞の検出」(青が正常,赤が異常)

解析例「異常細胞の検出」(青が正常,赤が異常)

 

解析例「コロニー形状の数値化・グラフ化」

解析例「コロニー形状の数値化・グラフ化」

 

詳しい製品説明についてはこちら

 

●問い合わせ先
(株)島津製作所
https://www.shimadzu.co.jp/

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