メディカルケアステーション(MCS),聖マリアンナ医科大学病院とともに「新型コロナウイルス感染症後外来に通院する患者見守りICT」を提供開始
〜 感染後の不調・不安を抱える患者を見守る 「しんしんあんしんアプリ」〜
2021-6-10
聖マリアンナ医科大学病院と,エンブレース(株)は,エンブレースが提供する医療介護連携SNS「メディカルケアステーション(MCS)」を活用して,通院間の心身の症状変化を記録でき,必要に応じて医療者に共有できる見守りの仕組み『しんしんあんしんアプリ』を共同企画・開発し,2021年5月中旬より同院の新型コロナウイルス感染症後外来に通院する患者への提供を開始した。
新型コロナウイルス感染症は,国内の陽性者数が70万人※を超えるなど,全国で予断を許さない状況が続いている。聖マリアンナ医科大学病院では,2021年1月より,新型コロナウイルス感染症診断後も症状が持続する方のための専門外来「新型コロナウイルス感染症後外来」を設置し,症状に応じた評価や,各専門医との連携,心のケアや漢方の治療を含めた対応を行っているが,限られた医療資源のなかで,患者一人ひとりに安心して治療を続けてもらうための新たな方法として,エンブレースとともに『しんしんあんしんアプリ』を企画・開発した。
『しんしんあんしんアプリ』は,新型コロナウイルス感染症後の代表的かつ日々変化する体調や症状を,患者自身が日々かんたんに記録でき,必要に応じて通院している医療機関のスタッフに共有できる仕組み。患者が本仕組みを利用することで,医療機関のスタッフは,通院間でも距離の制約なく,非同期で効率的な見守りを行うことが可能になる。本仕組みは,患者の症状や体調など機微な個人情報を扱うため,医療介護連携SNSとして約14万人以上の医療介護従事者の利用実績のある「メディカルケアステーション(MCS)」を利用し,セキュリティ面に配慮した取組みとして実施している。
今後も,聖マリアンナ医科大学病院とエンブレースは,本取組みを通じて,新型コロナウイルスの後遺症に悩む患者への安心と,日々新型コロナウイルス感染症対策に対応している医療機関・医療従事者の業務負荷の軽減の両立を目指していく。また,医療機関・医療者の業務負荷と,いまだ前例の少ない感染症に罹患した患者の心身のケア・見守りは全国共通の課題であるという考えから,同院の利用を皮切りに,ご利用を希望する全国の医療機関に,エンブレースより無料で提供していく。
※令和3年5月24日時点
▼聖マリアンナ医科大学 総合診療内科 土田知也医師 のコメント
「新型コロナウイルス感染後に,様々な症状を呈するいわゆる後遺症は,感染者の7割,軽症者でも3割に及ぶという調査報告がなされました。これからは急性期のみならず,後遺症で悩む患者さんへの対応が必要です。後遺症には,倦怠感や呼吸困難感,咳や味覚嗅覚障害,脱毛,記憶力の低下などといった症状がありますが,その原因や治療法についてはまだよくわかっておらず,医療機関における対応も困難かと思われます。
聖マリアンナ医科大学病院では総合診療内科を中心として新型コロナウイルス感染症後外来を2021年1月18日から開始し,5月21日現在,全国から約120名の患者が来院されております。基本的には当科で対応いたしますが,症状に応じて各専門診療科へ依頼を行います。味覚嗅覚障害が強い場合には耳鼻咽喉科,肺障害があるようであれば呼吸器内科,精神的なサポートが必要な場合には専門看護師や精神神経科と連携しております。また,金銭面などの社会的な不安が大きい場合には,ソーシャルワーカーも介入いたします。
MCSと連携して作成した『しんしんあんしん』アプリを用いて患者さんの家庭内の状況を適時ご連絡頂くことで,コロナ後遺症の全容をみることができ,その後の治療にも役立っております。今後も各診療科と連携し,知見を深めて情報を発信していきたいと思います。」
●『しんしんあんしんアプリ』とは
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診断後も症状がつづく患者のための,通院間の体調や気になる症状を記録できる。本アプリはMCSで利用できる追加機能。
※本アプリは非医療機器プログラムであり,本アプリのみで診断・治療を行うものではない
【利用方法】
MCSならびに「しんしんあんしんアプリ」は,希望する医療機関に無料で提供している。
患者は,通院中の医療機関の案内により,利用開始できる仕組みとなっている。
利用希望の医療機関は,エンブレースまで問合せ。
問合せフォーム:https://www.medical-care.net/html/contact/
●問い合わせ先
エンブレース(株)
https://www.embrace.co.jp