シーメンスヘルスケア,胸部全体のCT画像解析を行うAIソフトウェア「AI-Rad Companion」を用いた胸部CT画像AI解析受託サービスを開始
2020-6-29
シーメンスヘルスケア(株)は,CT画像から肺*1,心臓*2,大動脈*2を自動解析するため,AI技術を用いて開発されたソフトウェア「AI-Rad Companion(エーアイ・ラド・コンパニオン)」の医療機器承認を2020年6月19日付で取得した。
また,2019年4月よりトライアルで提供してきた「胸部CT画像AI解析受託サービス」の販売を6月29日より開始する。本サービスの販売にあたっては,コニカミノルタジャパン(株)との協業が決定している。
●AI-Rad Companion について
シーメンスヘルスケアでは,飛躍的な増加を続ける画像診断業務を抱える医療機関に,診断業務の効率化と質の向上,そして診療アウトカムの向上をもたらすために,AI技術を用いた医療用画像解析ソフトウェアを開発してきた。今回発表するAI-Rad Companion は,胸部全体のCT画像から肺や心臓,大動脈などの複数部位を一度に解析できるAI画像診断支援ソフトウェアで,ディープラーニング(深層学習)技術を用いて肺結節の検出や測定,大動脈の直径の測定などを自動で行い*3レポートを生成する。
AI-Rad Companion による主なレポート項目は以下の通り,
・肺における肺気腫率(LAA%)の計測
・肺結節の検出と大きさの計測
・心体積の計測
・冠動脈の石灰化検出,及び石灰化の定量化
・大動脈直径の計測,など
●胸部CT画像AI解析受託サービスについて
AI-Rad Companion を用いた胸部CT画像AI解析受託サービスは,AI技術に対する市場評価の獲得とクラウドプラットフォームの利活用推進を主な目的として2019年4月よりトライアルで提供してきたが,本格的なサービス事業として展開することとなった。これは,シーメンスヘルスケアが医療機関から胸部CT画像の解析を受託,受け取った画像をAI-Rad Companion で解析し,成果物としてレポートを生成・提供するサービス。なお,解析を行うソフトウェアは今回医療機器承認を取得したAI-Rad Companion の最新バージョンを使用し,結果を提供する。本サービスの利用には,同社が提供するクラウドサービス「teamplay(チームプレイ)」の接続環境下であること,さらにteamplay上で画像共有をするためのアプリケーション「teamplay Image」を利用する*4必要がある。
本サービスの主な流れは以下の通り。
1) 医療機関の担当者が胸部CT画像をteamplay Imageに送信する
2) シーメンスヘルスケアのエンジニアがteamplay Image上で同画像を受領し,AI-Rad Companionを用いて解析処理を行う
3) シーメンスヘルスケアのエンジニアがAI-Rad Companionによる解析レポートを受託元の医療機関に送付する
●コニカミノルタジャパンとの協業について
胸部CT画像AI解析受託サービスの販売にあたり,コニカミノルタジャパンとの協業が決定している。この協業では,シーメンスヘルスケアの医療クラウドサービス「teamplay」とコニカミノルタのICTサービス「infomity(インフォミティ)」が相互に連携することで,双方のプラットフォームを通して胸部CT画像AI解析受託サービスを提供する予定。この協業により,AI技術を活用した価値あるサービスをより迅速に多くの医療施設,幅広い診療領域へ提供することが可能となる。
今後AIアルゴリズムを用いた画像解析は,他のモダリティや複数部位においてもアプリケーションやサービスの展開が急速に拡充していくことが予想される。シーメンスヘルスケアは新たなサービスの提供や他社との協業を通じて,今まさに多くの医療機関で求められている新型コロナウィルス感染症への対応の一助となるだけでなく,医療サービスの提供方法そのものを変革し,同時に医療のデジタル化を強力に推し進めていく予定である。
*1: 販売名:AI-Radコンパニオン, 承認番号:30200BZX00202000
*2: 販売名:AI-Rad コンパニオン Cardiovascular, 認証番号:302AABZX00047000(認証日 2020年5月28日)
*3: 解析過程で本AIソフトウエアは自律的に学習を行わない。
*4: 施設でのteamplayの接続状況およびデータフローにより別途費用が発生する可能性がある。
●問い合わせ先
シーメンスヘルスケア(株)
TEL 0120-041-387
https://www.siemens-healthineers.com/jp/