一般社団法人 日本画像医療システム工業会,「2020年度 JIRA活動基本方針」を報告
2020-5-26
一般社団法人 日本画像医療システム工業会(JIRA)は,今年度の活動基本方針を策定している。
「2020年度 JIRA活動基本方針」については下記の通り。
●2025年 画像医療システム産業がめざすビジョン
人口構成の急激な変化により超高齢社会へと社会構造が大きく変化し,顕在化している社会保障費の増大,生産年齢人口の減少等の課題解決が,国を上げて取り組まれている。
政府は,健康寿命の延伸,人生100年時代,働き方改革といったテーマを掲げ,団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に達する2025年問題に向けて社会保障等の改革を進めるとともに,団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年を見据えた具体的な施策の検討も進めている。
また,高齢化は世界各国で同様に進んでおり,政治,経済等の情勢も変化している。
こうした状況を踏まえ,2013年に策定し進めてきた「JIRA 画像医療システム産業ビジョン2020」を,2019年4月に「JIRA画像医療システム産業ビジョン2025」として改定した。
●2020年度 JIRA活動基本方針
2020年度のJIRA活動基本方針は,「JIRA画像医療システム産業ビジョン2025」にある4つのビジョンの実現を目指し策定された。
1. 社会の変化に先駆けた世界をリードする医療イノベーションを実現する。
超高齢社会の課題である「健康寿命の延伸」には,早期診断・低侵襲治療を支援するモダリティ・機能の提供,予防・診断・治療など広範な分野での医療情報の連携,多種多様・大量の医療情報を分析し新しい視点を提供する技術開発,個別化医療(パーソナライズド・メディシン)の実現,新たな医療産業分野との連動が重要である。
JIRAは,
・医療保険制度,医療法,薬機法等に関する行政への提言
・他団体との連携,啓発活動
・画像医療システム産業の裾野の拡大
を積極的に取り組んでいく。
2. 革新的なデジタル技術の活用により,医療の質向上と医療機器産業拡大に貢献する。
人工知能,医療IoT,医療ビックデータ,次世代通信技術等,革新的なデジタル技術が医療の質向上に貢献し始めており,画像医療システム産業拡大へのチャンスでもある。
これらの技術の活用は,画像診断支援,患者/医師の負担軽減,新たな診断・治療の連動,医療現場の効率化も含めて,画像医療システム産業が新たな時代構築の先駆けとなっていくことが想定される。
JIRAは,
・画像医療システムへのAI(人工知能)活用基盤整備
・IT産業,医療系ベンチャー企業の支援
・医療従事者の生産性向上に寄与する機能拡充への支援
を積極的に取り組んでいく。
3. 日本の優れた医療,医療システムを世界に提供し貢献する。
画像医療システム・サービスの国際展開には,地域の医療機器に関する規格・制度への対応,地域の医療ニーズに応じた画像医療システムの提供,地域の政情・経済・環境・社会・技術動向等様々な情報収集が重要である。
JIRAは,
・標準化(ISO・IEC・JIS・JESRA等)活動の推進
・医療機器に関する規制の国際調和推進(IMDRF・DITTA活動への参画)
・海外進出支援
を積極的に取り組んでいく。
4. 社会・自然環境の変化に適応したシステムの提供により,安全・安心で安定した医療を実現する。
日本の医療技術・医療機器システムは「安全・安心で安定した医療の実現」に貢献してきているが,近年,サイバーアタックの巧妙化,労働人口の減少等の社会環境変化や,地球温暖化等の自然環境変化への適応が重要度を増してきている。
JIRAは,
・医療環境を阻害するリスク(サイバーアタック,感染等)への対応の啓発
・装置メンテナンスに関する価値の訴求
・環境負荷の低い省エネ型システムへの移行促進
を積極的に取り組んでいく。
5. JIRA基盤活動の充実
JIRAは,4つのビジョンを実現するための基盤として,以下の活動について充実を図る。
・コンプライアンスに関する啓発活動の推進
・JIRA会員へ提供する価値の向上
企業人材育成を支援するセミナーの充実
JIRA活動に参加しやすいITインフラの整備
部会・委員会活動メンバーのプレゼンス向上,支援,継続性の確保
会員向け情報発信の充実
・既存活動の継続的推進
広報活動の強化
調査・研究活動の強化
MRC認定制度の拡大
薬機法に基づく継続的研修の開催
展示事業の推進,ITEMのWeb開催対応
●問い合わせ先
一般社団法人日本画像医療システム工業会
http://www.jira-net.or.jp/