エドワーズライフサイエンス,経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)用の生体弁,サピエン3がグッドデザイン賞を受賞
2019-10-2
グッドデザイン賞を受賞したエドワーズサピエン3
心臓弁膜症や血行動態モニタリングを中心とした医療技術を提供するメーカーの日本法人,エドワーズライフサイエンス(株)(以下エドワーズ)は,同社の経カテーテル大動脈弁治療(以下TAVI=タビ)用の生体弁「エドワーズ サピエン3」が2019年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞したことを発表した。
エドワーズは1960年に世界で初めて人工心臓弁を製品化して以来,革新的な医療技術の提供を通じて,心臓弁膜症治療分野を世界的にリードし続けている。今回受賞したエドワーズ サピエン3が使用されるTAVIは,重症の大動脈弁狭窄症の患者さんにとって新たな選択肢となった画期的な治療法で,日本には2013年にエドワーズが初めて導入した。なおサピエンシリーズは,世界初のTAVI用牛心のう膜生体弁として2007年にヨーロッパでCEマークを取得して以来,改良を重ねながら,これまで世界中の何十万人もの患者さんの治療を支えてきている。
エドワーズはこれからも,より低侵襲で患者さんにやさしい治療を実現する製品や,治療後の患者さんの生活の質がより向上するような製品の開発と提供を続け,患者さんが健やかな日常生活を取り戻す一助となることを目指していく。
●グッドデザイン賞 受賞製品概要
製品名称:
エドワーズ サピエン3(人工心臓弁(生体弁)及び手術機器一式)
製品について:
エドワーズ サピエン3は重症の大動脈弁狭窄症の治療,TAVIに使用される生体弁。大動脈弁狭窄症は心臓弁膜症のひとつで,心臓の大動脈弁に障害が起き,本来の機能を果たせなくなる病気。治療せずに放置することで心不全へと繋がる恐れがあり,患者さんの生活の質に著しい影響を与える。
根治には,従来は主に手術で開胸して心臓を止め,悪くなった弁を人工弁に取り換える治療が行われてきたが,すべての患者さんには適していなかった。それがTAVIの登場によって,より多くの患者さんへの治療が可能になり,エドワーズは2013年にTAVI用生体弁を日本に初めて導入した。その後2016年に,さらなる改良を加えたTAVI用生体弁として,エドワーズ サピエン3を導入した。
デザインのポイント:
●アウタースカート:
従来のTAVI用生体弁では,TAVIの術後合併症のひとつ「弁周囲逆流」が発生するケースがあり,それが課題であった。そのため次世代のエドワーズ サピエン3ではアウタースカートを生体弁の下部に装着し,その合併症発生率の低減を目指した。
●低プロファイル化:
従来製品に比べてアウタースカートが追加されているにもかかわらず,生体弁を折りたたんだ状態では従来品よりも細くなるよう,エドワーズ サピエン3ではステントフレームの構造に工夫を施した。これによって,従来品では治療ができなかった,血管がより細い患者さんの治療にも対応できるようになった。
●カテーテルの操作性向上:
折りたたんだ生体弁を装着して患者さんの弁の位置まで運ぶカテーテルについて,患者さんの大動脈の形状に合わせてより柔軟に屈曲できるようにするなど,操作性を改善した。これによってより安全に生体弁を患者さんの弁の位置まで進めたり,より正確な生体弁の留置ができるようになることを目指した。
●問い合わせ先
エドワーズライフサイエンス(株)
https://www.edwards.com/jp/