オリンパス,十二指腸スコープ「TJF-Q290V」を発売
〜高い処置性と操作性により,安心で低侵襲な治療に貢献〜

2019-1-29

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EVIS LUCERA十二指腸ビデオスコープ「TJF-Q290V」

EVIS LUCERA十二指腸ビデオスコープ
「TJF-Q290V」

オリンパス(株)は,高い処置性と繊細な操作性を兼ね備えた十二指腸スコープ「TJF-Q290V」を2019年1月31日から国内で発売する。

十二指腸スコープは,口から挿入し,十二指腸乳頭部から処置具を挿入して胆管や膵管の診断・治療を行うために使用する。今回発売する「TJF-Q290V」は,十二指腸スコープに必要とされる「高い処置性」と「繊細な操作性」の両立を目指した。使用できる処置具のバリエーションが豊富でありながら微妙なスコープの操作を可能にすることで,安心で低侵襲な治療に貢献する。

また,近年の胆膵内視鏡診療の増加に伴い,医療機器の安全確保に向けた「リプロセス(洗浄・消毒)」に対する要求は高まっている。本製品は,安心で安全な胆膵内視鏡診療のために,効率的なリプロセス作業の実現に寄与する。

EVIS LUCERA十二指腸ビデオスコープ「TJF-Q290V」

 

●開発の背景

胆石症※1や胆管狭窄※2などの膵胆管疾患は近年増加しており,外科手術に比べて負担の少ない内視鏡的治療の普及が進んでいる。胆管・膵管は消化管の中でもアプローチが困難な部位であり,患者さんの個人差などによって様々な処置具を使う必要があるため,非常に繊細な操作が要求される。
同社はこれまで,鉗子挿通用管路が大きく処置性に優れた「TJF-260V」と,より細かな操作性に優れた「JF-260V」の2種類の十二指腸スコープを発売してきた。今回,その両方の特長を兼ね備えた「TJF-Q290V」を開発したことで,確実で安心な手技の実現を目指す。

※1 胆のうや胆管に結石ができ,腹痛や発熱などを引き起こす病気の総称。
※2 癌などの悪性腫瘍や結石が原因で,胆管が狭くなること。本来胆管から排出される胆汁の流れが悪くなることで,黄疸(皮膚や白目が黄色くなること)や肝機能の障害につながり重篤な状態におちいることもある。

●主な特長

1. マニュアル洗浄の高い効率性実現のため,スコープ先端部の構造を見直し
TJF-Q290Vは,効率的な洗浄作業を実現するため,スコープ先端部に装着するカバーをリユースからディスポーザブル(使い捨て)に変更した。また,鉗子台※1の構造を見直して鉗子起上ワイヤー管路※2を廃止したため,管路の洗浄作業が不要になった。さらに,専用の洗浄アダプターを使用することで,鉗子台周辺部の十分な洗浄に貢献する。

※1 十二指腸スコープの先端部から出る処置具を,視野方向に向けるために設けられている機構。手元の鉗子レバーを動かすと,鉗子起上ワイヤーが作動して,鉗子台が動くようになっている。
※2 鉗子台を動かすために必要なワイヤーの管路。

2. 高い処置性と繊細な操作性の両立を実現
使用できる処置具のバリエーションを豊富にするため,大きな鉗子挿通用管路を採用した(4.2mm)。処置具の胆管への挿入性・アプローチ性の向上を目指し,スコープから処置具が出る際の傾きの角度や,スコープの湾曲半径を小さくするなどの改良を図った。また,スコープを操作する手元側の押し引きやひねりがスコープ先端部まで伝わりやすい「高伝達挿入部」を搭載したことにより,高い処置性と繊細な操作性の両立を実現する。

3. ガイドワイヤー固定機能の改良により,処置性の向上に寄与
胆膵内視鏡診療は,複数の処置具を繰り返し胆管・膵管に挿入する。ガイドワイヤーを胆管に留置しておくと,処置具をガイドワイヤーに沿わせて容易に挿入することができ,手技がスムーズに行える。十二指腸スコープの先端部には,処置具を抜去する際にガイドワイヤーも一緒に引き抜いてしまわないよう,ガイドワイヤー固定機能(センターロック)が搭載されている。
TJF-Q290Vは,センターロックの固定強度を強め,細いガイドワイヤーを固定しやすくなった。さらに,センターロックよりも強い固定強度のサイドロックを新たに追加し,2つの固定方法を選択的に行えるようになった。あらゆる患者さんや疾患に対する確実な処置に寄与する。

 

●問い合わせ先
オリンパス(株)
http://www.olympus.co.jp

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