日本ライフライン,内視鏡レーザーアブレーションシステム「HeartLight(ハートライト)」のPMS登録完了
2018-11-9
HeartLight カテーテル
日本ライフライン(株)は,内視鏡レーザーアブレーションシステム「HeartLight(ハートライト)」について,2018年7月から販売を開始するとともに,本システムの市販後の品質,有効性および安全性を確認するためPMS(Post Marketing Surveillance:使用成績調査)を行ってきたが,11月6日に304症例の計画症例登録が完了した。
「HeartLight」はCardioFocus, Inc.(米国)の製品であり,心房細動のアブレーション治療における主要な手技である肺静脈隔離術を行うための医療機器。「HeartLight」は従来の高周波を発する電極が配置されたアブレーションカテーテルではなく,近年普及が進んでいるバルーンテクノロジーを採用した医療機器であり,肺静脈隔離術の効率的な治療を可能とする。
本システムを用いた手技では,カテーテル内部に備えられた内視鏡を使い直視下でバルーンカテーテルを肺静脈入口部に密着させ,カテーテルの中心部から円周上に心筋組織にレーザーを照射し治療する。内視鏡画像により心腔内を確認しながら正確に焼灼することが出来るため,肺静脈隔離術の有効性を高めることが期待される。また,焼灼部位毎にエネルギー量の調整が可能であることから,肺静脈狭窄や横隔神経麻痺などの合併症のリスクの低減が期待され,手技の安全性向上への寄与が見込まれる。
本システムは,心腔内の内視鏡画像の確認や,照射するレーザー出力の調整を行うため,手技としても新規性が高く,適切に使用するためのトレーニングが必要とされており,習熟した医師の立ち合いの下で指導を受けることによって使用が可能となる。既に欧米で行われている試験においても,経験症例数が15例を超えると習熟度が向上し,手技時間が短縮するとともに,合併症の減少傾向が報告されていることから,適切なトレーニングを実施することが重要である。
現在,日本国内で本システムを使用できる施設は21施設に限定されているが,来年1月には約30施設まで拡大し,本格的な使用が開始される見通し。同社としては,医療関係者に対するサポートに注力し,本システムを適切に使用できる環境を早期かつ着実に整備することによって,本システムの医療現場への普及に努めていく。
●問い合わせ先
日本ライフライン(株)
https://www.jll.co.jp