ジョンソン・エンド・ジョンソンとジョリーグッド,医療研修向けバーチャル・リアリティサービスを共同開発
〜第一弾は,不整脈治療のカテーテル手術をVR化〜
2018-11-5
ジョンソン・エンド・ジョンソン(株) メディカル カンパニー(以下,ジョンソン・エンド・ジョンソン)と,バーチャル・リアリティ(以下,VR)と人工知能(以下,AI)による人材育成ソリューションを開発する(株)ジョリーグッド(以下,ジョリーグッド)は,医療研修VRについて共同開発することを発表した。
医療研修VRは,ジョリーグッドが提供する人材育成ソリューション「Guru Job VR」(グルジョブ・ブイアール)を,医療従事者向けに開発したもので,その第一弾として,不整脈の一種である心房細動(※1) の名医による手技をVR化(※2)した。今回,メディカル カンパニーのバイオセンスウェブスター事業部の疾患領域となる不整脈の診断及び治療を支援する機器「CARTO® 3」(カルト スリー)(※3)を用いて,「カテーテルアブレーション治療」(※4)を高精度360度カメラで撮影した。主に手術室のスペースの都合から,医師の見学人数に上限がある手術の現場を360度映像化することで,遠方の医療機関でも,実際の治療の現場にいるような臨場感がある医療研修を可能する。
●名医の手技を隣に立っている視点でいつでも,どこでも,何度でも体験可能に
不整脈の一種である心房細動の患者数は,検診で診断される患者さんの数だけでも約80万人と推計(※5)されており,潜在的な患者数も含めると,実際には100万人を超えるといわれている。また脳梗塞をはじめとした合併症を併発するリスクもあることから,早期診断と治療が必要とされている。その治療法の1つである「カテーテルアブレーション治療」は,治療時間の短さや傷の小ささから患者さんへの負担も軽く,一回の治療で治せる可能性がある治療法である。
実際の治療の現場は,限られた人数しか見学ができないため,名医の技術を伝えることが難しいとされ,医療現場での手技の浸透に時間を要することが課題となっていた。今回の医療研修VRでは,実際の治療を行う医師と同じ視点で手術を体験することができ,名医が監修する解説とともに手技を学ぶことができる。それにより技術向上だけではなく,研修にかかるコストや時間の軽減が可能となる。
<医療研修VRの特徴>
・実際の治療を行う医師による手術を,解説とともに真横で見ることができる。
・症例のプライバシー保護対策や,衛生対策において行き届いた配慮が可能。
・時間,移動,費用面でのコストが大幅に抑えられる。
・何度でも繰り返し見ることができ,技術習得を効率化。
両社は今後も,様々な医療の現場を高精度VR化し,医療業界におけるVR研修,技能実習への活用を共同で研究開発していく。
※1:心臓が正常に拍動しない不整脈の一種。心房と言われる心臓の部屋が小刻みに震え,十分に機能しなくなっている状態。
※2:バーチャルリアリティ(仮想現実)の360度映像の中で,まるでその場に自身がいるような体験をすることが可能。
※3:心臓の3次元画像をコンピュータ画面に再現し,心臓の形状と不整脈の状況,カテーテルの位置を術者に同時に提供する。頻脈性不整脈の診断から治療までをサポートする医療機器。
製造販売業者名:ジョンソン・エンド・ジョンソン(株) 所在地:東京都千代田区西神田3-5-2 販売名:バイオセンスCARTO 3 承認番号:22200BZX00741000
※4:カテーテルと呼ばれる管を,主に脚の付け根にある太い血管(大腿静脈ないし大腿動脈)から入れ,
カテーテルの先をレントゲン撮影で透視しながら心臓まで到達させ,不整脈の原因となっている心筋を焼灼する治療。
※5:Inoue H, et al. Int J Cardiol 2009;137:102-107
●問い合わせ先
ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)メディカル カンパニー
https://jnj.co.jp/jjmkk/