日本メジフィジックス,「セラノスティクス」の早期実現に向け千葉事業所内に「CRADLE(クレイドル)棟」建設着工
2018-10-24
日本メジフィジックス(株)は,放射線を利用した「治療と診断の融合(セラノスティクス)」実現のため,放射線の一種であるアルファ線1)を放出するラジオアイソトープ(RI:放射性同位元素)を用いた治療薬とコンパニオン診断薬2)の同時開発を目指している。同社ではこの研究開発課題を「プロジェクトCRADLE(Consortium for Radiolabeled Drug Leadership)」とし,新薬創出へ向けて全社を挙げて取り組んでいる。
同社は,プロジェクトCRADLEを推進していく創薬拠点「CRADLE(クレイドル)棟」の建設に着工した。
名称:「CRADLE棟」
開設地:千葉県袖ケ浦市北袖3-1 日本メジフィジックス千葉事業所内
規模:建築面積 約980m2 延床面積 約1900m2 (構造:1階RC造 2階鉄骨造)
用途:放射性治療薬の研究開発,治験薬の製造出荷
竣工時期:2019年9月
総投資額:33億円
プロジェクトCRADLEは,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の平成29年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE3))」(第2回)に採択された「セラノスティクス概念を具現化するための創薬拠点整備を伴う,抗体等標識治療薬(アルファ線)とコンパニオン診断薬の開発」の研究開発課題を実現するために立ち上げたもの。同社が中核となって複数のアカデミアや製薬企業とともにコンソーシアムを形成し,それぞれが保有する高度な知識や技術を融合させて研究を推進する。
CRADLE棟では,隣接する千葉工場や創薬研究所と連携しながら,放射性治療薬およびコンパニオン診断薬の研究開発を行い,セラノスティクスを早期に実現することで,将来的には個別化医療への貢献・医療費の有効活用を目指す。
1)アルファ線:他の放射線に比べ,生物学的効果が高く,飛程が短い特色をもつ。目的とする癌細胞をより強力に破壊する一方,透過力が弱いため正常組織に対する影響も最小限に抑えられ,悪性腫瘍を集中的に攻撃する効果の高い治療が期待できる。
2)コンパニオン診断薬:特定の医薬品の有効性や安全性を一層高めるために,その使用対象患者に該当するかどうかなどを予め検査する目的で使用される診断薬。
3) CiCLE:AMEDが推進する事業の一つで,革新的な医薬品・医療機器等の創出に向けて,政府出資を活用し,産学官が連携して取り組む研究開発を支援し,またその環境の整備を促進するもの。(AMEDのホームページから)
●問い合わせ先
日本メジフィジックス(株)
TEL 03-5634-7006
https://www.nmp.co.jp