シーメンスヘルスケア,医療デジタル化の成長推進を目指し,医療アプリを提供するアルムと協業を開始
2018-7-30
シーメンスヘルスケア(株)と(株)アルムは,医療におけるデジタル化の推進,ならびに医療情報の共有において新たなかたちを提案していくため協業を開始した。
今回の協業のひとつとして,シーメンスヘルスケアは,全国の医療機関に対してアルムの汎用画像診断装置用プログラム「Join(ジョイン)」の導入サポートを行っていく。シーメンスヘルスケアの持つクラウドサービス「teamplay(チームプレイ)」とアルムの「Join」は,ともにクラウドで医療情報の活用や共有を目的としており,親和性も高いことがその理由である。
「teamplay」は,シーメンスヘルスケアが2016年4月より提供している,被ばく線量の管理や装置の稼働率の把握などができる医療機関向けクラウドサービス。これまでは,モダリティを中心としたビジネスインテリジェンス(医療機器からのデータを収集,蓄積,分析,報告し,迅速な意思決定をサポートできるよう加工する)機能をメインとして使われてきた。今後は,医療におけるデジタルエコシステムの発展を視野に入れ,teamplayは多機能プラットフォームへと進化していく。
一方,アルムが提供している汎用画像診断装置用プログラム「Join」は,医療関係者がクローズドな環境で医用画像の共有を行いながらチャット形式でコミュニケーションをとることができるアプリケーション。医療機器の認証を取得しているプログラムとして日本ではじめて保険収載されたプログラム医療機器で,国内では約150の医療機関にて,夜間休日などに院外にいる医師へのコンサルテーションツールとしての活用や,救急患者の転院の際の病院間連携・情報共有などに利用されている。
販売名:汎用画像診断装置用プログラム Join
医療機器認証番号:227AOBZX00007000
シーメンスヘルスケアの代表取締役社長兼CEOの森秀顕氏は以下のように述べている。
「私たちは医療デジタル化を推進していくことで,プレシジョン・メディシンの拡充など医療の発展に貢献し,医療従事者の方々にこれまでにない価値を実感いただきたいと考えています。私たちの目指す医療デジタル化には世界中で多くのパートナーが不可欠であり,今回のアルム社との協業が国内におけるその第一歩となります。今後両社は,お互いの持つ専門性や技術力を最大限に生かして医療デジタル化の推進に貢献し,医療従事者の方々から信頼され,共に医療の未来を形作っていくことのできるパートナーとなるよう,積極的に取り組んでまいります」。
アルム代表取締役社長の坂野哲平氏は以下のように述べている。
「現在,医療現場では地方における医師の偏在や医師の働き方,そして高齢化に伴う医療費の増加など多くの課題を抱えております。弊社はモバイルICTやクラウドを活用し,こうした課題の解決に努めてまいりました。この度の協業では,単なる販路の拡大だけではなく,シーメンスヘルスケア社のデジタルエコシステムのプラットフォームを基盤にCTやMRIなどのモダリティ機器等と,よりシームレスな連携を行うことでクラウドを活用した情報共有を促進できると考えております。こうした情報共有の推進により,医師の負担軽減だけでなく地域医療における遠隔診断や重複検査回避による患者の負担軽減,そして医療費の抑制などに繋がることを期待しております」。
<シーメンスヘルスケアが目指す医療のデジタルエコシステム>
オープンでセキュアなクラウド環境をベースにした仕組みのことで,医療機関,医療従事者,患者,自治体,メーカーやパートナーを含むすべてのステークホルダーがつながり,連携し,よりよいアプリやサービスの提供や活用を促進していくものである。たとえば,メーカーやパートナーは,開発したアプリやサービスをすぐに利用できる環境に接続でき,一方の医療従事者は,必要に応じてそれをいち早く活用できるなどのメリットがある。
このようにユーザーとプロバイダーとのつながりにより有機的な発展を遂げていくことから,デジタルエコシステムと呼んでいる。
●問い合わせ先
シーメンスヘルスケア(株)
TEL 0120-041-387
www.healthcare.siemens.co.jp
(株)アルム
TEL 03-6418-3010
www.allm.net