島津製作所,乳房専用PET装置に関する意匠が「平成30年度全国発明表彰」において「発明協会会長賞」を受賞
2018-5-17
島津製作所は,「平成30年度全国発明表彰」において「乳房用トモグラフィの意匠(意匠登録第1513538号)」で「発明協会会長賞」を受賞した。
日本の科学技術の向上や産業の振興に寄与することを目的として大正8年に始まった「全国発明表彰」は,公益社団法人発明協会が主催している。多大な功績を挙げた発明や考案,意匠,あるいは,その優秀性から今後大きな功績を挙げることが期待される発明などが表彰される。
【「乳房用トモグラフィの意匠」について】
受賞対象となった「乳房用トモグラフィの意匠」は,乳房への圧迫をともなわない高精度な乳がん検査を支援する乳房専用PET装置のデザインに関するもの。
同社は,NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトのもとで2014年に乳房専用PET装置「Elmammo(エルマンモ)」を製品化し,2017年には,胸壁部分に生じやすいブラインドエリアの縮小などを図った後継機「Elmammo Avant Class(エルマンモ アヴァン クラス)」を開発した。
被検者は装置の上でうつ伏せになり,検出器ホールに片側ずつ乳房を入れるだけで検査を受けることができる。マンモグラフィ検査のような乳房の圧迫による痛みはない。
“肉体的負担の軽減”と “心理的負担の軽減”を軸に,女性の意見を多く取り入れながら開発を進めた。デザインについては,威圧感を感じさせない柔らかなフォルムや健康的な印象を与える色使いを取り入れ,姿勢を保持しやすい構造のベッドマットを採用するなどの工夫を凝らした。
同社の乳房専用PET装置は,日本人女性に多いとされる高濃度乳房の検査にも有効であるという報告がなされており,抗がん剤などの治療効果判定に利用できる可能性も期待されている。
●問い合わせ先
(株)島津製作所 広報室
TEL 075-823-1110
http://www.shimadzu.co.jp/